症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/07/16 (火)

【 未病を治す~漢方薬~ 】

漢方薬は「薬」に分類されますが、天然の草根木皮を煮出したもので、植物のスープ。
つまりは、「食事による養生法」の延長線上にあります。

そのため、漢方相談に来られる方の中には、
もともとは不調を改善するために飲み始めたけれども、改善後も漢方薬の種類や量を変えながら飲み続けることで、元気に過ごしている、という方が多いです。


漢方薬と言っても、使われている植物の働きによって、食事のように毎日摂るとよいものもあれば、薬として一時的に飲むのがよいものも。
簡単にご紹介いたします。
 
*上薬(じょうやく)
調子がよい時もそうでない時も、日頃から飲んでおくことで、不調の兆しがあっても自分で立て直す力をつけておきます。

養生していても、季節や環境の変化、ストレスなどによって体調に波は出るもの。
そのような時に、少し休めば回復できる力が、もともと私たちには備わっています。

いざという時、その土台の力がしっかり発揮できるよう養っていくのが上薬。
自分を根っこでどっしりと支えてくれる、お守りのような存在です。

実際に、症状が改善された後も飲み続けられ、健康を維持されていたり、体調を崩されても早く回復されている方がたくさんいらっしゃいます。

(例)霊芝、冬虫夏草、人参、枸杞など
 
*中薬(ちゅうやく)
体質に合わせた漢方薬をコツコツ飲むことで、不調が出やすいところを補強し、バランスが崩れるのを防ぎます。
初めはしっかり飲み、不調を感じなくなったら少量で続けるとよいもの。
「自分の身体に一番合った野菜スープ」と思って、毎日飲むことで身体を整えます。

例えば胃腸が弱い方は、胃腸を養う漢方薬を飲み続けることで、ちょっと食生活が乱れてしまってもビクともしない、あるいは少し胃腸を休ませれば回復できる身体をつくります。

(例)補中益気湯、六君子湯、当帰芍薬散、六味地黄丸など
 
*下薬(げやく)
症状が出ているときに飲むことで、不調の改善を早めます。

例えば風邪をひいて、寒気、発熱、鼻水、咳の症状があるとき。汗をかいていない場合は、身体を温めて発汗を促すような漢方薬を使うことで、治癒力が高まり、素早く熱が下がります。鼻水や咳が残った場合にも、症状に対応した漢方薬を適切に使うことで改善します。

このような漢方薬は一時的に、最善のタイミングで、適切な症状に対して使うことで効果を発揮します。

(例)葛根湯、小青竜湯、竜胆瀉肝湯など
 
  
顔色や目の力、声色、におい、歩き方や姿勢、舌の状態、脈などを観察し、生活習慣や体質を伺い、その人の今の心身の状態や、今後起こり得る変化を推察する。

そして、その人のなりたい姿が叶えられますように、養生法や漢方薬などのご提案をさせていただく。

それが、漢方相談でできることです。


もし、漢方薬を一旦お休みされたときでも、何かあればいつでもご相談いただければと思います。
「あれ?最近調子が良くないかも」「なんだか不安…」など、気になることがあればお気軽にご連絡くださいませ。

ひとりで抱え込まなくても大丈夫。
「困ったときにはいつでも相談できる専門家がいる」ということも、未病への対策のひとつです。

未病のうちに対応できるようになると、心も身体も楽になり、暮らしに余裕が生まれ、さらに心身が元気になりますよ。


皆さまがイキイキと、自分らしく人生を歩まれますように。
漢方みず堂の存在が、その一助となれば幸いです。


 
 
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