症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/06/19 (水)

心と身体は一つの如し。漢方を通して自分と向き合い、長年の冷えと便秘が改善

小さい頃から下半身の冷えと便秘でお悩みの、40代女性のお客様。
春の暖かくなり始める時期のご来店でした。

体が常に冷たいと感じ、寒い時期は特に冷えがきつく、色々と試してみたけど改善が見られない。
便秘は、悩んだりするとなりやすく、コロコロ便で残便感があり、3日程出ないことも。
体が重くなり、しんどくなる事もあるようでした。

お話を伺っていくと、
体にとって良いと言われている事を調べて色々試しているのに、体調は良くなるどころか悪くなっていっている…
自分ではもうどうしたら良いのか分からない…
と大変お困りのご様子。
頭で色々考えるようにもなり、心の影響が大きいと思う、と言われていました。

体質としては、身長に対しかなり細身で、脾(ひ)の力が弱まり、気と血の両方が不足し、水分バランスがうまく取れていない状態でした。
 
脾の力と心の関係
「脾」とは、食べた物を消化吸収し、エネルギーである「気」と栄養分の「血」、水分の「津液」を作り出し、全身へめぐらせる胃腸系統の働きのこと。
ここの力が弱っていると、気血が足りなくなり冷えや倦怠感が現れたり、水分のめぐりが滞ることで四肢がむくんだり、体が重だるく感じたりします。

そこでお客様には、脾の力を養うとともに、気血を補い、水分バランスを整える漢方薬をお出ししました。


さらには、くよくよ悩んだり考えたり、頭を使い続けることは、実は脾に負担を掛けること。逆に、脾が弱っているとくよくよしやすい、という側面もあります。

できるだけ早く良くなりますように、お客様には、
是非良いところに目を向けてくださいね!
とお伝えしました。
パーフェクトじゃなくていいんだ!自分で気付けると、ぐんぐん良くなる
飲み始めて2週間。
早速、足がじんじんと血が巡っている感じがして、お通じが気持ちよく出るようになっているとのこと。


1ヶ月経つ頃には、毎日お通じがあり、食欲も旺盛に。
季節的な事もあり、冷えは気にならないと。

「ホルモンの影響やお天気の影響で不調を感じる時もあるけど、それも自然だよなーと感じようになった!」
と、体調が良くなるにつれて考え方も変わっていかれているお客様の姿が印象的でした。


そして、漢方薬を始めて初めての秋冬。
冷えを感じることなく、自分の肌に触れると温かいと感じるようになった!
と嬉しいお声を聞くことができました。

そして、
「今までは自分は冷えやすいからと考えすぎて、暗示をかけてしまっていたかもしれない。今は必要以上には気にしないようになった。」
と、心もほぐれていっているご様子でした。


最近では、
「人生で一番元気だと言えるくらいすっかり体調が良くなっています!
なによりも『パーフェクト=元気』だと思っていたけど、そうじゃないんだなと。波を悪いものと考えず、受け入れられるようになった。」とのこと。

そのようにお話しされるお姿は、初めてお会いした時のお客様とは全然違って、とても輝いていました。
 
 
「心身一如」 心と身体は一つの如し。
私たちの心と身体は切り離すことはできず、ひとつに繋がっていて、お互いに影響し合うもの。
体調が良くなると心の調子も良くなりますし、その反対に心の調子を整えていくことで、体調も良くなっていくものです。


身体が元気になることで、心も元気になっていかれるお客様の姿を見て、心と体は一つなんだと改めて教えていただくとともに、人の持つ力の凄さを間近で感じさせていただきました。

また、来店の度にイキイキとした表情で話され、前向きになっていくお客様の姿が嬉しく、いつもこちらが元気をいただいていました。


今お客様は、自分のやりたい事に向かって毎日頑張っていらっしゃいます。
お客様の頑張りを応援しながら、これからの日々もお客様がイキイキと自分らしく過ごせますように、心から祈っています。
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