更新日:2024/06/11 (火)
ホタルの光
このコラムを書いている今、5月の終わり頃は、
九州ではホタルの見頃を迎えているとのこと。
東海や関東の太平洋側沿岸部も同じ頃に見頃となり、
私の住んでいる広島や近畿地方でも6月中旬にかけて、
ホタルが飛び回るピークとなるそうです。
このコラムを配信する頃には、皆さまご覧になる機会があったかもしれませんね。
ホタルが活動的になるのは、
『月明かりがない新月または曇りがちで月明かりが目立たず、蒸し暖かく、風がない夜』で、
20時15分頃から21時30分頃にかけて一晩のうちで最も発光するそうです。
まさに梅雨入り前の、ちょっとジメジメしてきた季節。
寝苦しさを感じ始めそうな頃ですが、ホタルにとっては嬉しい季節なんですね。
ちなみに、大人になったホタルは伴侶を探すために光を放っているのは有名ですが、
さなぎ時代や幼虫、卵のときにも発光しているとか!
その役割や仕組みについては、まだまだ謎があるそうです。
ホタルは、綺麗な湧き水が流れる清流域でないと生息できないイメージでしたが、
エサとなる貝も生息できる、やや富栄養な水質を好むのだとか。
汚すぎるのはいけませんが、綺麗すぎもせず、栄養も良い加減が生きやすい。
私たち人間と一緒ですね。
ホタルの一生をみると、
産卵から約20日でふ化し、
幼虫時代の期間が約10ヶ月~1年と一番長く、
約1週間さなぎ時代を過ごしたのち、
大人になってからは1週間程度での寿命。
お母さんホタルは、産卵したら亡くなるそうです。
私たちが目にするホタルは、
一生のうちの、本当に一瞬。
その刹那の輝きからは、
幻想的でロマンチックな雰囲気だけではなく、
ホタルの生命エネルギー、
まさに命を繋ごうとする、力強いエネルギーが感じられます。
人の一生も、
地球、宇宙の単位でみると、
とてもわずかな、限られた時間です。
そしてホタルのように、
どの成長段階にあっても、いくつになっても光り輝く、
生きるエネルギーや未来への希望、可能性を秘めています。
それは、命が終わるその瞬間まで、
誰しもみんなが持っているものです。
私たちも、ホタルの輝きに勇気をもらい、
自らを輝かせて、儚くも力強く、生きていきたいですね。
[参考資料]ウェザーニュース ほたる情報