症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/02/14 (水)

【呼吸法】

 
呼吸は、私たちが無意識的にも、意識的にも動かすことのできる唯一の運動。

深く息を吸い込み、長く息を吐き出す動作をすることで、
肺、胸、お腹が大きく動き、
全身の気血がぐんぐん巡り始め、
身体中の細胞がイキイキと目覚めていくように感じます。

呼吸は、身体を動かしたり、臓器を働かせたり、考えたり感じたりといった脳や心を動かすことにも、密接にかかわっています。



中医学的に、主に呼吸をつかさどるのは「肺」の役割。
呼吸を通して全身に気をめぐらせ、外邪から身を守ります。

「肝」とともに自律神経を整えたり、
「心」と協働して血液のめぐりをよくしたり、
「脾」と一緒に元気を作り出したり、
「腎」と協力して水分代謝を促したり。

これらの働きは、呼吸を整えることによっても正常化されます。


さらに、「腎は納気をつかさどる」と言われ、
腎=丹田(たんでん)まで空気を吸い込むイメージで深く呼吸できると、肺での空気の出入りが円滑に行われるとされています。
横隔膜がしっかり下がるような、いわゆる腹式呼吸のことですね。



普段は無意識に呼吸をしているので、いつの間にか息を止めていたり、呼吸が浅くなっていることも往々にしてあるのではないでしょうか。

このような時は、
頭がぼーっとしてきたり、
イライラしたり不安になったり、
肩が凝ってきたり背中や腰が張ってきたり、
お腹が痛くなったり、
トイレが近くなったりと、
何となくいつもと調子が異なり、気分も体調も下り坂になりやすいと思います。



そこでおすすめしたいのが、“クンバハカ法”という呼吸法。

・朝起きたときや寝る前
・仕事中や勉強中のリフレッシュに
・帰宅後やお風呂でホッと一息つくとき
・イライラしたとき
・不安になったとき
・パニックになりそうなとき など

頭や心のスイッチを切り替えたいとき、集中したいとき、心身を整えたいときに、ぜひ取り入れてみてください♪
 
―クンバハカ法―
1. 背筋を伸ばして肩の力を抜き、浅く腰掛ける。
2. 息を吐く。お腹をへこませ、10~15秒かけてゆっくりと。汚れを出し切るイメージで。
3. 息を吐ききったら、肛門をキュッとしめる。
4. 息を吸う。スーッと早くしてもOK。空気中の良いものを吸い込むイメージで。
5. 息を吸いきったら、肛門をキュッとしめる。
(以下、2~5を繰り返す。)

*「肩の力を抜く」「お腹をへこませる」「肛門をキュッとしめる」のがポイント!
 
 
 
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