症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/09/11 (月)

【エイジングケアのための簡単養生法】

あらゆる細胞の新陳代謝、つまり、古い細胞から新しい細胞への生まれ変わりには、気血がよくめぐっていることが大切。

また、
血を貯蔵している「肝」
生命エネルギーの源である「腎」
気血を生み出し内臓や皮膚を持ち上げる「脾」
これらは、お肌や毛髪の悩み、妊活の悩み、生活習慣病、認知症など、とくに老化を感じやすい不調とのつながりが。

今回は主に、気血のめぐり、肝・腎・脾の働きの観点からポイントをお伝えします。
 
*よく噛む
脾の元気を保つ秘訣は、よく噛むこと。脾の液である唾液をしっかり分泌させ、消化を助けます。

噛むことは舌や顔の筋肉の活性化にも。気血のめぐりが良くなります。
 
*食べ過ぎ飲み過ぎは、ほどほどに
食べ過ぎ飲み過ぎは、脾にとっては過重労働。毎日へとへとになっていては、お肌をピンっとハリよく持ち上げておくことなどできません…。内臓も重だるくなり、解毒力も低下します。

思いがけず食べ過ぎてしまった翌日は、消化のよい軽めの食事で脾をいたわりましょう。
 
*血がよどむものは控えめに
砂糖たっぷりの甘いもの、油分がたっぷり含まれるものを毎日食べる習慣は、血をドロドロに。

たまのご褒美に美味しくいただく程度にとどめるのが、美の秘訣。
 
*食材シリーズ
旬のものを、様々な食材と組み合わせてお召し上がりくださいね♪
  • きれいな血を増やしたり、めぐらせる食材
    みょうが、紫蘇、黒ゴマ、白ゴマ、黒米、黒豆、小豆、納豆、ほうれん草、春菊、菜の花、チンゲン菜、あしたば、ヨモギ、玉ねぎ、しいたけ、黒キクラゲ、鮭、あじ、イワシ、サバ、サンマ、カツオ、タラ、うなぎ、牡蠣、イカ、タコ、ひじき、ブルーベリー、桃、ライチ、いちじく、栗、アーモンド、紅花、山査子、なつめ、松の実、枸杞の実、金針菜 など
  • 脾を元気にし、気を補う食材
    米、もち米、黒米、あわ、大麦、ハトムギ、そば、大豆、かぼちゃ、さやえんどう、枝豆、そら豆、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、じゃが芋、さつま芋、里芋、山芋、キノコ類、鮭、あじ、イワシ、サバ、サンマ、カツオ、タラ、うなぎ、ほたて、牡蠣、エビ、タコ、さくらんぼ、ぶどう、栗、しょうが、高麗人参、なつめ、陳皮 など
  • 肝・腎の栄養を養う食材
    黒ゴマ、黒米、あわ、黒豆、トマト、人参、山芋、黒キクラゲ、白キクラゲ、いちご、ブルーベリー、さくらんぼ、ライチ、ざくろ、栗、クルミ、あじ、さば、カツオ、タラ、うなぎ、はまぐり、アサリ、しじみ、ほたて、牡蠣、エビ、カニ、イカ、タコ、昆布、わかめ、ひじき、松の実、枸杞の実、金針菜 など
 
*適度な運動を
座りっぱなし、立ちっぱなしは気血の停滞・腎の弱体化の元。
足首を回したり、かかとを上げ下げしたり、腰を時計回りに回すなど、ちょこちょこ動かしてみましょう。こまめなトイレ休憩で歩き回るのも◎

隙間時間では、大きな筋肉を動かすもも上げやスクワットもオススメです。しっかり呼吸をすることで、気をめぐらせるのがポイント。

▼ おすすめメニュー
もも上げ 50~100回×3セット
スクワット 10回×3セット
かかと落とし 10回×3セット
 
*肝・腎を消耗する行為は控えめに
慢性的なストレス、激しい感情の起伏、パソコンやスマホなどによる目の酷使、大音量または長時間のイヤホンによる耳の酷使、習慣的な夜更かし、運動不足などは、肝や腎に蓄えられた栄養源を消耗し、肝の暴走や腎の弱体化を招きます。

自分の感情を素直に受け止め、心が喜ぶ時間を増やすこと。
目や耳、脳、心を休ませる時間を作ること。
毎日、ほんの少しでも続けることで、肝腎の栄養を養います。
 
*早く寝る
肝腎に蓄えられた栄養を消耗する夜更かし。とくにベッドの中でスマホを眺めている方は要注意。

テレビやスマホはoffにして、仕事の続きは翌朝にして、23時までに寝るのが◎