症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/15 (金)

加齢・消耗による耳鳴り

漢方的な原因
漢方では、生命エネルギーを蓄え、発育・生殖・加齢に関わる働きを「腎」といいます。
そして「腎は耳に開竅(かいきょう)する」といい、腎の機能は耳・聴覚機能に大きな影響を与えます。

加齢現象のひとつとして耳が遠くなるのは、この腎に蓄えられた生命エネルギー「腎精(じんせい)」が衰えるため。
漢方的に考えると納得の現象なのです。

また「腎」は加齢によってだけではなく、もともと虚弱である場合や、慢性的な病気や過労、性生活の不節制などによっても消耗します。


「腎」は、全身へ血液を流したり精神・意識を機能させる「心」とも関係があります。

「腎」は「心」が過剰に働き過ぎないようバランスを取る役目を果たしているのですが、腎が弱ると「心」が暴れだします。
すると心に火がつき、火を消そうとしてますます腎は消耗してしまい、耳鳴りが現れる場合もあります。
この場合は、心の火を消すための腎の潤い「腎陰(じんいん)」が不足していると起こりやすいです。


どちらも「腎」の弱りが関係していますが、どのような経過を辿ることで耳鳴りが起こるかは人によって様々。
耳鳴り以外に現れている症状や経過、体質などから、耳鳴りを緩和させていくための改善策を導き出します。
よく見られる症状
□ 「ジー」とセミが鳴くような低音の耳鳴りや、夜間の耳鳴り
□ 聴力の減退がある
□ めまい、腰痛、足腰のだるさがある
□ 不眠、ほてりがある
□ 足腰の冷えや排尿異常がある
代表的な漢方薬
六味地黄丸、八味地黄丸、黄連阿膠湯、清心蓮子飲など
 
『加齢・消耗による耳鳴り』を根本から改善するには、漢方薬を
「病院に行ったが、良くならないと言われた。」
「このまま聞こえなくなったらどうしよう…。」
そのようにお悩みの方には、内側から整えていく漢方薬がおすすめです。


そもそも『耳鳴り』は、「音がしていないにも関わらず、耳内に音が聴こえる」という症状のこと。
「ピーという高い音・ブーンという低い音・セミが鳴いているような音」など、様々な音があります。
また、耳鳴りではなく『頭鳴り』といって、頭の中で音が響いているという方もいらっしゃいます。

「ストレスを感じた時・季節の変わり目・加齢とともに」などで音に強弱があることもあれば、何かをきっかけに常に音が鳴っていることもあり、お客様ごとに違いがあります。


そのため漢方みず堂ではご来店いただいたお客様に、まずはじっくり今までの症状や経過、体質などカウンセリングしたうえで漢方をお選びしております。
病院では解決方法がなく諦めていたのに、ピタッと症状が治って喜んでおられる方も多くいらっしゃいます。

また、そもそも体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。

耳鳴りは慢性化しやすく、長引いてくると漢方でも時間がかかることがあります。
少しでも症状が気になる方は、ぜひ一度お早めにご相談くださいませ。
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