症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/11 (月)

食べ過ぎてしまう方へ

「腹八分目とよく言われるけど、いまいちピンとこない。」
「どうやったら食べ過ぎないでいられるの?」
そのように悩まれる方は意外と多いです。
ここでは、少しでも食べ過ぎずに、でも美味しく満足感の得られる食べ方をご紹介していきます。

*よく噛んで食べる

これまでの養生法でもよくお伝えしてきましたが、やはり「よく嚙む」ことの効果は大きいです。
急いで食べている時、しっかり目の前の食事を味わえているでしょうか?
味や香りを感じないままに、お茶で流し込んではいませんか?
ただお腹を満たす、栄養を摂取する、という目的だけになってしまうと、味気なくて心が満たされない食事になりかねません。私たち人間は、感情を伴う生き物です。

「今日の味付けはバッチリだね」「やっぱり新米は味が違うなぁ」「カボチャの煮物ホクホク!」などじっくり味わったり、「このお米はどこで作られたんだろう…」「どんな人が収穫してくれたのかな…」「その人も今、同じお米を食べてるのかな」「美味しく頂いています!ありがとうございます!」なんて想いを馳せてみたり。
そんなことを感じながら食べていると、ひと口ひと口がとても大事になってきて、食べ終わる頃には心もお腹も満たされているはず。

*GI値の低いものから食べる

食事による血糖値の乱高下を減らすことは、食後の空腹感や物足りなさを軽減することに繋がります。
GI値は食後の血糖値の上昇スピードを表した数値ですが、このGI値が低いものから食べた方が血糖値の上昇が緩やかになり、食後に下がるスピードも緩やかに。
「さっきパンを食べたばかりだけど、またお腹が空いてきてしまった。何かつまもうかな。」ということを回避できます。
野菜やキノコなどの副菜や卵・魚・お肉などの主菜から食べて、最後にご飯やパンを食べる。
その為には自然と品数も増えるので、それぞれの量は少なくても彩り豊かに栄養豊富なお食事になり、腹八分目でも十分満たされます。

*「空腹感」を感じる

「腹八分目がよく分からない」という方は、まずは「空腹感」を感じるところから始めてみてはいかがでしょうか。
朝起きた時、お昼の時間、夕食前に、グ~っとお腹は鳴っていますか?
もし鳴っていないのなら、朝何も食べなかったために胃腸が目覚めていない場合もありますが、そうでなければその前のお食事がちょっと食べ過ぎなのかも。少し減らすようにしてみましょう。
もし食べる時間を調節できるのであれば、お腹が空いたと感じてから食べるようにしてもよいですね。

お腹が空っぽであることを感じて、そこからお食事をいただく。
「もう食べられない!満足!」というところまで食べるのではなく、「もう少し入りそうだけど、今日はこの辺で。」というところで食べ終わる。お湯呑にお茶を満タンに入れるのではなく、七~八分くらいまで注ぐような感覚でしょうか。

大量の仕事を胃腸に与えて、まだ処理できていないのにまた次の仕事をドサッと与えてしまわないように、胃腸の声を聞きながらお食事してみましょう。

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