症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/09/14 (火)

秋を穏やかに過ごす心掛け

心で秋を感じる

モクモクとした入道雲から、うっすらしたうろこ雲へと空も変化する秋。
「女心と秋の空」という諺もあるように、台風や秋雨前線で急に天気が変化しながらも徐々に湿気が減り、透き通った綺麗な青空が広がります。よく秋晴れともいいますね。
この秋晴れの時期は空気が乾燥し、実は体内の水分も一年の中で特に少なくなります。

自然界では夏の「陽」から秋冬の「陰」へと転換されていきます。
パワー溢れる活動的な状態から、静かで落ち着いた状態へと変わっていくのです。

春に芽吹いた植物が秋には豊かに実り、そして葉を落とすことで次の春に向けてまた準備を始める。
姿を変えながら次の季節へ、また次の季節へと、さらに命を繋いでいく。
そのように自然の摂理に想いを馳せてみると、今年の紅葉や落葉はまた味わい深いものになりそうですね。

 

漢方の陰陽五行説において感情を分類すると、秋は「悲」。
涼しくなり、
鈴虫が鳴き出し、
夕暮れ時が早くなってくると、
少し物寂しいような感傷的な気分にもなります。

くよくよと考えてしまったり…
涙もろくなってしまったり…
そんな時は、ゆったりと自分を見つめて、
「今の私はこんな風に感じているんだなぁ」
「そういう時もあるよね」
と、そんな自分も大事に受け止めてあげましょう。
日記や絵などで表現してみるのもよいかもしれませんね。
そう、深呼吸も忘れずに。

過ぎ去った夏を思い返して物思いに耽ってみたり、
次の新しい自分づくりのために、
本を読んだり芸術に触れたり。
または、少しずつ体力作りを始めてみるのもいいですね。

 

“実りの秋”は、私たちの心も身体も豊かにしてくれる季節。
秋の空気、景色、音、匂い、そして食べ物を心と身体でいただいて、
自然の恩恵に感謝して、
今日も一日、あるがままに過ごせますように。

➤【中秋から晩秋の身体】