症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/08/13 (金)

夏の汗を癒す

食事

 
・エネルギーを補うものを

汗が止まりにくい方はエネルギー不足かもしれません。また汗と一緒にさらにエネルギーを消耗しています。下記の食材で補充しましょう。
[米、ヤマイモ、ジャガイモ、カボチャ、枝豆、ウナギ、豚肉など]

 
・潤いを補うものを

汗をかいた時も水分はちょこちょこ飲みで、身体を潤す食材や潤いの消耗を抑える食材を取り入れるとより脱水予防になります。
[トマト、キュウリ、レンコン、スイカ、メロン、モモ、レモン、梅、豆腐、葛など]

 
・熱を鎮めるものを

寝汗やほてりが気になる方は、下記の中でも特に苦味のある食材が過剰な熱を冷ましてくれます。
[トマト、ピーマン、ゴーヤー、ナス、レタス、セロリ、スイカ、バナナ、キウイ、豆腐、緑茶、ミント、菊花など]

 
・冷たい物は控えめに

汗をかくだけでも体内温度は下がります。そこへ冷たい物を口にすると胃腸は凍えてしまいます。凍えた胃腸を温めようとして身体は熱を保とうと働きます。するとまた暑く感じるという悪循環に…。
もし冷たい物を食べた後は、胃腸をいたわる温かいお茶を少しどうぞ。

環境

 
・室内は冷やし過ぎず、外の空気に触れる

屋外と室内の気温差による自律神経の乱れが多汗の要因となる場合もあります。冷房で冷やし過ぎないよう設定温度を調節しましょう。簾や打ち水、サーキュレーターなどでひと工夫を。また朝晩の涼しい時間帯は外の自然な空気に触れることで身体もほっと癒されます。

 
・汗が出た時はこまめに拭いて冷やさない

汗をかいている時は毛穴が開いて無防備な状態。そのまま涼しい所に行くと、風邪や頭痛、しびれや関節痛、リウマチの原因になります。首や膝・関節はとくに、汗が出ている間はなるべく冷やさないように気をつけましょう。

 
・早めに寝て早く起きる

エネルギーも潤いも消耗しているので、できるだけ早く寝て充電しましょう。さらに早起きして朝日を浴びることでパワーを注入でき、乱れた自律神経もリセットされます。

代表的な漢方薬

*汗がだらだら出る方や寝汗がひどい方は、症状や体質によって効果的な漢方薬が異なります。自分に合うものを飲むことで、回復を早められます。
柴苓湯(さいれいとう)
・防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
清暑益気湯(せいしょえっきとう)
・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
など

*汗+冷風による不調にも、症状によって様々な漢方薬が使われます。
・藿香正気散(かっこうしょうきさん)
・薏苡仁湯(よくいにんとう)
・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
・五積散(ごしゃくさん)
など