症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/03/18 (木)

春に増える花粉症

花粉症は、漢方では“水毒”といって、体に余分な水分がドロドロと溜まったことにより出るものと考えられています。
春は発散の季節ですので、特にこの時期に症状が出やすいのです。
花粉だけではなく、PM2.5や黄砂の影響で、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ、皮膚炎などの症状が出る方も多いです。

漢方薬では、今出ている症状を軽減するお薬や、根本的にアレルギー体質を改善して症状の出にくいお体を作っていくお薬があります。
後者は時間をかけてお体を立て直していくものなので、「今症状が気になる!」という方には、両方を並行して飲む、もしくはまず前者から始めて、症状が軽くなってから後者へ切り替える、という飲み方などあります。

▽関連リンク
【鼻炎・花粉症と漢方】

花粉症の養生

花粉症を症状の特徴別に分けると、主に3つあります。

 
①“寒”タイプ

風邪のような症状。冷えがある、透明のサラサラした鼻水、くしゃみ、鼻づまりなど

 
②“熱”タイプ

熱っぽい・炎症のある症状。黄色くネバネバした鼻水・痰、鼻づまり、口や喉の渇き、目の充血・痒みなど

 
③“湿”タイプ

鼻水の量が多い、鼻づまり、まぶたの腫れ、むくみ、頭重、重だるさ、食欲不振など

 

①の方は、“寒”を取り除きからだを温める、生姜、ネギ、紫蘇、春菊、パクチーなどをお食事に取り入れてみましょう。
まだまだ気温差のある春なので、「冷やさない」ように羽織ものなどを上手に使い、体温調節にも気をつけましょう。

②③の方は、湿気と熱を生みやすい赤身の肉類や、冬が旬の根菜類は減らし、ふきのとう、タラの芽、菜の花、セロリ、タケノコなどを摂るようにしてみましょう。
程よい苦味が、からだに溜まった余分な湿気と熱を鎮めてくれます。
“熱”がとくに気になる方は、薄荷菊花を入れたお茶、“湿”がとくに気になる方は、はと麦茶もおすすめです。
逆に、お酒や辛いもの、揚げ物などの摂りすぎは症状を悪化させやすいので控えめにしましょう。

過度なストレスや睡眠不足も、からだを花粉などから守るバリア機能(正気)を低下させます。
できるだけ早寝早起きを心がけ、無理をしすぎず、ゆったりする時間を作ってみましょう。

花粉症の方におすすめのツボ

 
・厲兌(れいだ)

足の第2指外側で、爪の生えぎわ角すぐ下のツボ。
花粉症による鼻の症状が気になる方に。
詳細はこちらのサイトがおすすめです
『せんねん灸「ツボ二十四節気 雨水~厲兌~」』

 
・太衝(たいしょう)

足のこうで、第1指(親指)と第2指の骨が交わるところにある、くぼみの中のツボ。
花粉症による目の症状が気になる方に。
詳細はこちらのサイトがおすすめです
『せんねん灸「ツボ二十四節気 啓蟄~太衝~」』

 
・迎香(げいこう)

小鼻のわきにあるくぼみにあるツボ。
鼻水、鼻づまりが気になる方に。
詳細はこちらのサイトがおすすめです
『救心「健康ツボのアドバイス~迎香~」』