新鮮なものが◎
生薬の薄荷葉は、シソ科ハッカの葉を乾燥させたものです。
ハッカは西洋名でミントとも呼ばれ、昔から世界中で栽培されており、品種は何百種類もあるようです。
使い方も幅広く、生のまま料理や飲み物に添えたり、乾燥させてハーブティーやポプリとして、抽出液をアロマオイルとして、また、ハッカの成分は医薬品としても使われています。
ハッカは生でも乾燥でも使われますが、乾燥させることで成分が濃縮されます。
ただ、時間が経つにつれ、成分が揮発するので、効果を期待するなら、乾燥したての新鮮なものが良いです。
薄荷葉の性質
ハッカといえば、清涼感。ひんやり、すーっと沁みるような香りがします。
薄荷葉は涼性で、発散の性質を持つので、熱がこもっている時、イライラする時のクールダウンに働きます。
葉っぱという、軽く浮き上がる性質から、効果を発揮しやすい場所は、体の表面(肌、呼吸器)や上部です。
ちなみに、同じシソ科の紫蘇の葉っぱも漢方で使われますが、紫蘇葉は温性です。
薄荷葉の効能
○疏散風熱、清頭目、利咽喉
ガンガンする頭痛、目の充血、咽の痛みなど、急性の炎症や激しい熱症状は、熱が部分的に鬱滞して煮えたぎっている状態です。
薄荷葉は、熱毒を冷やしながら外へ追いやって、炎症を鎮めます。
○透疹止痒
麻疹の初期など、湿疹が十分に出ず、肌の中でくすぶっているような時、毒素を押さえ込むより、肌から出し切った方が、治りが早いです。
薄荷葉の発散の性質は、毒素が外へ出ていくように助けます。
また、冷やす性質が、かゆみを鎮めます。
○疏肝解鬱
ストレス、季節の変わり目、不規則な生活・・・など、気をコントロールする臓腑「肝」が緊張状態になると、気持ちが不安定になり、ホルモンバランス、自律神経が乱されます。
薄荷葉のすーっとする香りは、固まっている「肝」を元通りに伸びやかに動かし、気の巡りを安定させます。
薄荷葉を含む漢方薬
○逍遥散、滋陰至宝湯 ・・・ 虚弱で自律神経が不安定になりやすい人に
○荊芥連翹湯、柴胡清肝湯・・・ 鼻炎、中耳炎、湿疹、扁桃腺炎などアレルギー体質に
○防風通聖散 ・・・ 脂肪を溜め込みやすい体質に
○清上防風湯 ・・・ 膿やすいにきび、結膜炎、副鼻腔炎など上部の炎症に
○響声破笛丸 ・・・ 声枯れ、喉の不快感・痛みに
○銀翹散 ・・・ 喉の痛み、口の乾燥、頭痛などの風邪症状に