お腹が鳴ること(腹中雷鳴)に対し漢方でできること
大学を卒業したばかりの社会人1年目、スラっと背の高い男性からのご相談でした。
お腹が鳴ることに大変お悩みでした。実は、お腹がすいたときだけでなく、お腹が鳴ることを漢方では「腹中雷鳴」と言います。
お話をお伺いするとインターネットでご自分で調べられて、この漢方薬を!と目星を付けていらっしゃいました。
漢方は、症状や病名で選んだり専門知識や経験が少ない中で選んでしまうと見当違いのものになる可能性があります。
実際に腹中雷鳴に使う漢方薬も色々あり、「寒飲」と言って単に胃腸が冷えて水がたまって起こる場合と「寒熱錯雑」と言って、単に胃腸が冷えているだけでなく、気の上がり下がりがうまくいっていない場合で違ったものを使います。そういったお話をさせていただき、改めてしっかりご様子をお伺いし、お選びしたものは・・・・目星を付けていらした漢方薬と同じものでした!
こういったことも、もちろんあります。
ここからもうひとつのポイントがあり、漢方は煎じで飲むのが一番ということ。
今は 漢方専門薬局に行かなくても、ドラッグストアなどにも漢方薬が置かれています。
煎じを作るのは、30分弱火でコトコト煮出します。大変ですが、これがほんとうに良く効くのです。
男性で、自分で火にかけてできるかな?という思いもありましたが、よくなるためには、しっかりやることが大事であり、ご本人も根本から変えたいとうことをお話され一緒に頑張りましょう!と煎じをスタートすることになりました。
漢方薬と生活養生
飲んで1ヶ月、なかなか変化が見られません。そこで深呼吸のお話をさせていただきました。呼吸が乱れると空気を呑んでしまうこともあります。
2ヶ月目、まだ、あまり変化が見られません。食べるものを乳製品やバナナなど陰性のものを減らしてもらうこと、良く噛んで召し上がっていただくことをお話させていただきました。
3ヶ月目、睡眠のお話をさせていただきました。早寝早起きをすることです。
4ヶ月目、だんだん改善が見られて腸の動きが落ち着いていることを感じるとお話をされました。呼吸、食事、睡眠ができているかの確認も毎度欠かせません。
半年後、このころにはご本人が意識的に歩いたり、ランニングをしているというお話をされるようになりました。姿勢についても背中を丸めずピンと背筋を伸ばすように意識することをアドバイス。呼吸、食事、睡眠、運動と漢方薬と共に生活養生もしっかりと根付いてこられました。
漢方をはじめて10ヶ月、多少鳴るが、音も小さく何より以前のように気にならなくなったということ。
現在は漢方を減らしていけるまでになっています。
治るきっかけ
このように漢方を飲むことだけではなく、生活を整えることが大事です。
生活養生の基本は、「心・食・動・休・環」。何より前向きな心、食事・運動・休養、どうしようもない環境の影響もありますが、これが基本ということ。
今回のお客様は、今では自らで自らの生活に気づき 何かバランスが悪いところがあるとしっかり対処できるようになられてきています。それが何より、治るということだと思います。
なかなかお一人では気づきにくいこともありますので、私たちは一緒になって考え、解決策をご提案させて頂きます。何よりお悩みが良くなることが私たちの喜びです。
きっかけはインターネットでもどういったことでも大丈夫です。
何かお悩みがありましたら、是非ご相談ください。