症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/25 (水)

旅行や行事になると起こる腹痛・下痢

腹痛でお悩みのお客様

30歳のころから、旅行や外出、行事ごとになると腹痛からお腹を壊す。偏頭痛がする。

お子様が幼稚園に通うようになり、お母様たちと接することが増えてきたのが、30歳のころ。そういえば人とのコミュニケーションが苦手だったかも・・・。精神的なところからと思い、心療内科で2年間治療するも、薬を飲み続けることに不安を感じ、市販の整腸剤や下痢止めでなんとかしのいでいました。

でも、「やっぱり腹痛のない生活がしたい」。大好きな旅行もトイレがどこにあるか気になり、楽しめない。また腹痛が起きるのではないかと不安になる・・・いつも不安と隣り合わせ。

それ以外にも年に2~3回、回転性のめまいで一日中寝込むことも。病院の薬も効果がない。

体質としては、疲れやすい、暑がり、のぼせ、汗かき、頭痛、たまに胃がもたれる、考え込む、お通じ1日2回下痢気味

心脾両虚

ストレスがかかるとお腹を壊す・・・という方は多いのではないでしょうか?

消化器の働きは自律神経が深く関わっているので、ストレスにより自律神経の緊張状態が続くと、消化器も過剰に動き下痢を引き起こします。人によっては胃酸の分泌が過多になり胃潰瘍などにもなります。

そうすると、消化器で食べ物からの栄養が取れなくなり、体の栄養不足が起きます。心の働きも栄養不足になり、不安感や不眠などが出やすくなります。このことを心脾両虚(しんぴりょうきょ)と呼びます。

今回の方もまさにそんな悪循環に陥っていました。多少のストレスにも負けない体を作り、消化器の働きを整え、血がしっかりと心にいきわたるような漢方薬を飲んでいただきました。

1ヶ月で旅行に!

漢方を飲み始めて1ヶ月。「温泉旅行を楽しんできました。」と嬉しそうにお話されました。1ヶ月の間、2回ほどお腹の調子が悪いこともあったけど、すぐに治った。不安感が減った。頭痛は1回だけ、寝込むほどではなかった。

2ヶ月目には、大好きなバトミントンも行けている。暑くて負けそうになったけど、大丈夫。お腹の調子は2~3回調子悪かった。食欲はある。頭痛は少しチカチカする程度。外出するときに不安な気持ちは頭をかすめるけど、気にならなくなった。

少しずつご不安が減ってこられているのが何よりです。この調子で気持ちが変われば、お体ももっと良い方向へ向かっていくと思います。

今はお子様も家を出られ、ご主人と二人暮らし。「平々凡々と暮らしています。」とお話しされていましたが、当たり前のようで、当たり前ではないと思います。日常に感謝しながら「腹痛のない生活」を目指し、一緒に歩んでいきます。