症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

落葉状天疱瘡に清熱解毒剤で劇的改善

赤くただれて非常に強い痒み

50代後半の女性の方。2年前から急に発症され、胸のあたりに水疱瘡のような感じのものが広がり病院に行かれたようです。

それから1年通院され、あまり変化がなく相変わらずだったのが、ある時に背中、脇の下まで湿疹が広がり、そこが破れて非常に強い痒みがあり、違う病院に行ったところ、落葉状天疱瘡の皮膚型と診断されたようです。そこからさらに1年通院したけど一進一退。

ご来店された時には、目の周りが真っ赤。また、腕をめくって頂いて見せた頂いたところは、赤くただれているよう。大変痒みがお辛いことは見てわかりました。

漢方的診断

漢方をお出しするうえで体質を聞いてみると、暑がりで、肩こり、目の乾燥が強くあるとのこと。

漢方的な診断(弁証)をすると、裏熱虚、血虚、血熱。肝胆湿熱がありそれでジクジクが起こっているため、清熱解毒剤を使用しました。

詳しくは、皮膚病の八綱弁証(はっこうべんしょう)~プロの見立ての重要性~をご覧ください。

ご本人もご主人もびっくり!

最初服用された時に、すんなり飲めるとのことでまずは一安心。

しかし飲んでいくうちに少し広がってきたとのこと。そこで、ステロイドの軟膏剤を使用して、落ち着いてきました。さらに飲み続けると、下着が触っただけでもヒリヒリしていたのが取れてきて、ヒリヒリしなくなったとのこと。この状態が2週間後の状態でした。

さらに飲み続けて、1ヶ月後には、ヒリヒリ感が完全に消失して、痒みも痛みもなくなりました。顔も落ち着いてきたとのことで、赤みが取れてきていました。この時にはまだ内服のステロイドを使用。抗生剤、骨粗鬆症薬、胃薬も服用されていました。

2ヶ月目に入って、ステロイド剤を半分に減薬でき、ご本人は大喜び。3か月目には全く痒み、痛みはもちろん、湿疹もなくなってきたとのこと。あとは、ステロイド軟膏のためか、目の周りの黒いしみ。ご本人もご主人もこんなに早く効いて漢方の威力はスゴイ!とのことでした。

ここまで改善した例は初めて

天疱瘡は難病の一つ。以前も何人かいらっしゃった方がいましたが、ここまで劇的に改善した例は初めてでした。漢方薬と同時に、霊芝・田七人参・冬虫夏草・枸杞子の上薬と、アメリカ国立がん研究所(NCI)が提唱しているデザイナーズフーズを主体にした植物発酵エキスをブレンドした液体も併用しました。飲み始めて一時的に悪化したのはまさに漢方で言う、「メンゲン」で、悪いものを一気に出して、それからぐんと良くなる前兆だったのでしょう。

これからは少しずつ用心しながら漢方の量を減らしていき、完全に良くなったことを確認していきたいと思います。