痰が出にくいのは陰虚
80歳の男性の方。3ヶ月前から粘っこい痰があるためゼェゼェして胸が苦しい。粘っこいからなかなか出せない。元々喘息ではあるがこんなに症状が長く続いたことがない。寒さや雨など天気に左右されやすい。特に朝10時くらいまで症状がひどい。病院では注射を続けていたが骨がもろくなる副作用があるため中止することに。
漢方をはじめて痰がつかえゼェゼェいうことが減り、毎朝のウォーキングでも胸苦しさを感じにくくなり、気になっていた耳鳴りも改善。そのほかにも夜中に目が覚めることが減り、朝までぐっすり眠る日が増えてきました。
ウォーキングは坂をのぼってくだるコース。はじめはくだるまで痰がからみ胸苦しさが続いたり、のぼる時も2回ほど休憩が必要だったが今では休みなしでスーっとのぼって行けるようになられたそうです。ウォーキングでの出会いも大切にされており、毎朝いつものお仲間に「おはようございます」とあいさつするのが日課のひとつになっているそうです。寒いと症状が出やすいこともあり冬のはじめは症状が一時的に悪化したものの、その後本格的に寒くなる頃には寒さに左右されなくなり、毎朝のウォーキングも楽しんでいらっしゃいます。最近は起きたら朝7時だった、という日が多いとのこと。
歳を重ねると陰虚になる
出にくい痰、夜間~明け方の咳、耳鳴り、夜間目が覚める、これら全てが漢方では体が消耗して「陰虚」になった状態で起こると捉えます。一見別々のことのようで全てつながっています。カラカラに渇いてしまって起きる喘息のため、潤す漢方「補陰剤」を用います。
また、陰虚の喘息は秋~冬に悪化します。なぜか?一つはカラカラのため、乾燥シーズンはさらにカラカラになる。もう一つは冷えると「腎」を損ない、陰虚に拍車がかかるためです。