外を見て内を推察する
「人は見た目が9割」という本が以前人気になりましたね。「人を見た目で決めつけてはいけません!」と教育されている中、このタイトルは非常にセンセーショナルなものでした。
漢方では、見た目は重要な要素になります。
「望診」といって、その方がどういった状態にあるのか弁証(診断)する際、見た目を参考にするのです。外をみて、内を推察します。人間の身体はひとつですから、内臓の状態が見た目に影響してしまうのは致し方ないことです。
漢方の世界では、外側への出方は規則性があるとされているのです!経験的に・・・・あるいは、自然の法則に則って・・・。
簡単にご紹介いたします!
◎肌
「肌は内臓の鏡」と言うくらい、内臓の状態を表します。
・吹き出物・・・古い血(お血)や毒素がたまっています。便秘の方は吹き出物できやすいですよね。ちょっとくらい吹出物があった方が、そこから毒素を出せるので良いという説も。
・シミ・・・ガソリンの燃えカスです。加齢によるものもあれば、血行不良によるものも。少しくらいあっても、年相応なら大丈夫です!
・乾燥・・・栄養(血)不足です。
・色・・・白=肺(呼吸器系)、黄=脾(消化器系)、赤=心(循環器系)、青=肝(自律神経系)、黒=腎(泌尿器・生殖器・ホルモン系)という具合に、不調があると肌の色も変わります。
◎頭髪
「髪は血の余り」です。特に「腎」という先天エネルギーの貯蔵庫の状態も表します。年相応に変化しますし、その変化があったほうが良いです。
・抜ける/細くなる/艶がない・・・①血が足りない。②脂肪がつまっていて血が流れない。③ストレスで血行不良をおこしている。
・白髪・・・「腎」が衰えてきています。年相応がベストです。
◎目
ここは「肝」という自律神経をつかさどる場所と深い関係があります。常に目が充血している・・・目がピクピクと痙攣する・・・こんなことがあれば、体が緊張状態にあるかもしれません。
なるほど~って感じでしょう!
ただ、あくまで弁証(診断)するときは総合的にしていきますし、望診だけではわからないことばかりです。大事なのは、人間だれしも完全な健康体というのはなく、気持ちに喜怒哀楽があるように、体にも波があります。季節や環境に合わせて柔軟性を持って対応でき、悪いことがあっても自然治癒力で治せるのが一番と思います!
ちなみに・・・「人格」は見た目で絶対わからない、と私は思います(笑)