閉経以降の冷えのぼせ
56歳の女性の方からのご相談でした。
30代ぐらいから足が冷たくなり、自分が冷え症であると自覚。冬は多少冷たさが増すものの靴下を2枚履くなどしていれば特に気にならなかった。
ところが5年前に閉経を迎えてから冷えが一層強くなり、いつも足が冷たい。酷い時には痛みを感じる事が出てきて、足をさすったり足を高くしていないと辛い状態に。
更に困ったのはそれと同時期に今度は暑くなる時期や気持ちが昂ると顔が真っ赤になるという症状も出てきた。特に夏場は口が乾いたり、眠りが浅くなるので辛い。冷え対策で生姜茶を飲んだ時にはカーッと熱くなり顔が本当に真っ赤な状態になった。いわゆるのぼせと言う状態なのか、頭もボーっとして身体もしんどい。
他の人から「どうしたの?」と心配されるぐらい顔が真っ赤になるのでなんとなく人に会うのも嫌になって外出もしたくなくなる事が増えてきました。
温めれば頭の症状が酷くなり、冷やせば足の症状がひどくなるので自分でもどうしたら良いかわからず病院に行くも「更年期でしょう」の一言で済まされて出されたお薬も効かなかったので飲むのをやめてしまっていました。
上熱下寒
漢方では、陰陽のバランスをとても重要視します。陽は上のほうに偏りやすく、陰は下のほうに偏りやすいため、陰陽の行き来が上手くいっていない状態が上熱下寒です。
下半身の陰の性質があるのは五臓の中で「腎」です。閉経はこの腎が衰えていくことで起こります。そうすると腎陰が不足し、陽を抑えることができずに、上半身は熱を持つようになります。
つまり、根本的な原因は腎陰不足。腎陰をしっかり補っていくことが大切です。
体の調子が良くなり、表情も明るく
服用を始めるにあたっては特に味の事を心配されていらっしゃいましたが、いざ服用して頂くとすんなり飲めて続けられそうということで漢方をスタート。
10日もすると何となく頭の熱、上半身の熱が緩和された感じが実感として出てきました。
1ヶ月後にはなんとなく頭がスッキリする感じ、毎年夏場の時期は苦手なのになんとなく調子が良い。
2カ月もすると顔の赤みが少しずつ引いてきて、冷えも内側から冷えているのが減った感覚が出てきました。
途中調子が良くなって来た時に飲み忘れる事が増えてお顔の赤みが出る事もありましたが、半年経過した現在はきちんと毎日服用しており、顔の赤みやのぼせはほぼ無くなって気温が急激に下がった最近でも冷えは以前とは比べものにならないぐらい軽減していると喜んでおられました。
なによりご主人と外出できることが嬉しいそうです。
症状ももちろんですがお客様ご自身の表情が明るくなられたというのが一番変わられたところだと感じています。