症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/23 (月)

エキス剤と煎じ薬の違いを実感~肝鬱血虚(かんうつけっきょ)の漢方~

不妊治療と漢方の併用

34歳の女性で、2年ほど前からお子様を希望され、一年半前から病院に通いながらお薬は使わずタイミングを取っていらっしゃいました。

1ヶ月前に着床はしたものの初期で流産。病院の診断では、不妊の原因は高温期が10日に満たない黄体機能不全がみられることと、子宮蠕動・子宮内膜炎のため、とのこと。

体調としては10年前からPMSに悩んでいる。黄体期に入るとほてり・いらいら・眠気・だるさ・頭痛に悩み、月経直前には肌荒れや脱力感、気分の落ち込みが激しくなる。月の半分は体調が優れない状態でした。

体質としては、疲れやすい、手足の冷え、頭痛(気圧の変化、生理前)、立ちくらみ、肩こり、腰痛、ストレスを感じやすい。

肝鬱血虚(かんうつけっきょ)

元々ストレスを感じやすいタイプだったことに加え、時間が不規則なお仕事ということが体に大きな負担になっていました。

ストレスや不規則な生活の影響を最も受けるのは漢方では「肝」です。「肝」は自律神経を司り、血液を貯蔵する働きもあります。

「肝」が失調すると、血液を蓄えられなくなり、血が不足する血虚が起こり、生理の不調が生じます。この状態を肝鬱血虚と言います。

実は病院で同じく肝鬱血虚を改善する漢方薬をもらって1年間飲んでいらっしゃいましたが、思うような変化は感じられなかったとのこと。今回ご用意したのも同じ漢方薬でしたが、コトコト煮出して飲む本格的な「煎じ薬」なので、エキス剤よりも効果が期待できます。

すぐに妊娠!まもなく出産!

漢方をスタートした日は排卵日の10日前。飲み始めて1ヶ月後のご来店で、なんと陽性反応がでましたが、心拍の確認ができず流産。

その後生理が整いはじめ、PMSも軽く、精神的な波がかなり少なくなり、表情も穏やか。

そして1ヵ月後になんと再び陽性反応!

つわりは大変で、頸管が短く絶対安静の状態が約2ヶ月続きましたが、その間は赤ちゃんを守る安胎薬を飲んでいただき、赤ちゃんもすくすく育ち今は8ヶ月。5月末に出産を控えています!!!

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