
更新日:2025/03/18 (火)
はたらく喜び
あと10日ほどで4月。
門出の春ですね。
進学、進級、就職、異動、昇進、転職、定年退職…などで新しい環境がスタートする方もいらっしゃれば、
そのような人を迎える側だったり、そばで見守る方もいらっしゃるかもしれません。
特に変化はなくとも、新年度を迎えるにあたり、
心を新たにし、前向きな気持ちで一歩を踏み出したくなるような、
ワクワクドキドキする季節ですね。
そのような時期ということもあるのか、最近、「はたらく」ということについて改めて考えています。
「はたらく」というと、
お給料をいただいて働く仕事もあれば、
家事や育児・介護をしたり、ボランティア活動や趣味の活動をしたりと、お給料のない働きも、
何かしらの役割を担っている、という意味で「はたらく」ということに含まれると思います。
弊社グループ会社会長の言葉に、
「はたらく」とは「傍(周りの人)をラクにする」こと。
同時に自分は「楽=たのしく」なるということ。とあります。
また「仕事」について、
「人に士(つか)える事」=他人に仕えることであり、
「人のために」という「利他」のこころを意味する。
という教えもあります。
会長の言葉とともに私がいつも思い浮かべることのひとつには、
ある本の次のような一節があります。
――――――
ある建築現場で働く三人の石切工がいた。何をしているのかと聞かれ、彼らは次のように答えた。
第一の男は言った。「これで生計を立てているのさ」
第二の男は手を休めずに言った。「国で一番の石切の仕事をしているんだ」
第三の男は目を輝かせて言った。「国で一番の大寺院を建てているのさ」
――――――
日々の生活のために働く(お金のため)、というのも真実だと思いますし、
仕事で腕を磨き一番になりたい(名誉のため)、という心理も、実際には否定できないことかもしれません。
しかし本当は、それらは働く目的ではなく働いた結果であったり、真の目的を果たすための過程や手段なのかもしれません。
自分の働きが大きな意味で何に貢献しているのか(誰かのため)、という視点で目的を見出すと、
心から自分自身に誇りを持てるようになり、
「はたらく」ことが、自分を楽しい気持ちにさせるものにもなるのかなと感じます。
そのように感じられるようになると、
お給料をいただいて働かせてもらえることに、自然と感謝の気持ちも湧いてきます。
家事のようなお給料のない働きでも、
大切な人の喜ぶ顔、笑顔、そして温かい言葉掛けは、働くエネルギーになります。
それは仕事上でも同様に、「はたらく」喜びに繋がっているなと感じます。

そうは言っても、「はたらく」ことは決して楽しいことばかりではなく、
上手くいかなくて悩んだり、怒ったり傷ついたり、苦しいこともたくさん経験するものですよね。
しかしそのような時間もあるからこそ、
目的に向かって一歩一歩近づく喜びや、
誰かの笑顔を見られる喜びが、
ひとしおになるのだと思います。
私にとって「はたらく」とは、
自分の命をより輝かせてくれる研磨材のようなもの。
痛みを感じる時もあるけれど、
その分成長し、誰かの力になり、喜ばれる喜びを味わうことのできる、
まさに「生きる」ことだなぁと感じています。
人のために働き、喜んでもらうこと。
それが自分にとっての喜びや、楽しみになる。
「はたらく」ことで、笑顔の和が広がる毎日でありますように。
[参考文献]
『新 自分を磨く方法』p.18-19 スティービー・クレオ・ダービック 著/干場弓子 編訳