症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/12/17 (火)

干支から占う2024年→2025年

2024年も残すところ約十日。
皆さまにとって、どのような一年でしたでしょうか?

今年を振り返り、また新たな気持ちで新年を迎えられますように。
皆さまと一緒に、干支に込められた意味を読み解いていきたいと思います。
 
おさらい ~「干支」とは~
一般的に知られている「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の「十二支」と、「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」の「十干」を組み合わせた60通りの呼び方を「干支」といい、60年で一巡します。

この「干支」は、漢方の考え方の基でもある東洋思想「陰陽五行説」と関係が深い考え方です。
2024年は甲辰
2024年の干支は「甲辰(きのえたつ)」でした。

「甲」は十干の最初にあたり、生命や物事の始まり、成長という意味。
また甲冑(かっちゅう)の「甲」の文字から、種子が厚い皮に守られて芽を出さない状態や、物事に対して耐え忍ぶ状態を表しているそうです。

そして「辰」といえば竜(龍)ですが、本来は、二枚貝が殻から足を出して動いている姿を表した象形文字から来ているとか。
原字は「蜃」で、振や伸、震に通じ「ふるえる・成長していくさま」といった意味。自然万物が振動し、草木が成長して活力が旺盛になる状態を表すそうです。
2025年は乙巳
2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」。

「乙」は十干の2番目で、「軋(きしむ)」を意味しています。
陰陽五行説では、木のように植物が成長し広がっていくような意味合いが。柔軟性や協調性を象徴し、周囲との調和を保ちながら自身の目標に向かって進んでいく力を表しています。

「巳」は十二支の6番目、蛇。古来より豊穣や金運を司る神様として祀られることもあり、神聖な生き物として認識されてきました。たくましい生命力があり、脱皮をするたびに表面の傷が治癒していくことから、医療、治療、再生のシンボルともされています。
また、蛇のような辛抱強さ、粘り強さ、優れた知恵や洞察力もイメージされます。
甲辰から乙巳へ
干支の解釈をもとに紐解くと、
2024年は、前年までの努力や種まきの積み重ねにより、むくむくと新たな芽吹きが感じられていたり、新たなステージが始まったりといった出来事があったかもしれません。

もしくは、蒔いた種がなんとか芽を出そうと、もがき、耐え忍び、今にも殻を破らんと力を蓄えるように、自分自身と向き合う時間でもあったかもしれません。


漢方みず堂でご縁を頂いている方は、
少しずつお身体に変化が表れていたり、生活面や精神面で以前とは変わってきているところがあるでしょう。

悩んでいた不調は改善し、新たに気になる事や未来のために心身を整えるステージへと段階が変わった方もいらっしゃると思います。

今はまだ変化を感じられないけれども、毎日漢方薬を続けていることで、身体の中の細胞ひとつひとつは着実に良い方向へと生まれ変わり続けている、という方も、たくさんいらっしゃるはずです。


2025年は「脱皮」の年。
2024年が新たなスタートだった方も、耐え忍んでいた方も、
きっと、さらに一皮、二皮と変身し、成長し、何かを得られる一年になるのだろうと思います。
また、そのためには蛇のような辛抱強さや、粘り強さが必要となるのかもしれません。

クネクネと一直線には進まない事があったとしても、
焦らず、地に足(蛇はお腹ですが…)を着けて、自分のペースで歩んでいれば大丈夫だろうと思います。



毎年この干支のコラムを書いていて思うのは、
どのような一年にするのかは、本当に自分次第だな、ということ。

新しい一年、まだ見ぬ明日という一日は、
何が起こるのか、
どのような事、どのような人に出逢うのか、
何も分からないし、何も決まっていません。

そして、
すでに起きた事は変えられないけれども、
過去、今、をどのように解釈するのか、
どのような時間だったと感じるのかは、
すべて自分だけが決められます。

干支を通した一年の振り返り、そして新しい一年の展望については、
その一助として参考にしていただければと思います。


2024年、一日も欠かさず生きてきた自分に「ありがとう」を。
そして、2025年を迎える自分に希望を抱いて、「これからもよろしくね」を。

皆さまが、素敵な一年を迎えられますように。




[参考資料]
▼ 2025年の干支は乙巳(きのとみ)!どんな年になる?巳年生まれの特徴は?