症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/11/12 (火)

【冬の不調の原因】

冬の身体は以下のような影響を受けます。

○気温低下による
 ・冷え
  ↓↑ 相互作用で悪循環に
 ・血流の低下
 ・新陳代謝の低下
 ・免疫力の低下

○日照時間の減少による
 ・自律神経の乱れ
 ・気分の落ち込み
 
 
さらに冬は、漢方的に「腎」が弱りやすい季節。

「腎」とは、私たちが本来生まれ持った生命エネルギーの源。
発育・成長・生殖を司り、加齢とともに衰え、老化現象に直結するところです。

全身を温める力「陽気」の根源(腎陽)であり、
全身を潤す要素「陰液」の根源(腎陰)でもあります。
 
  • 腎の働き
    生命エネルギーを蓄える働き/発育・成長を促す働き/生殖機能を保つ働き/脳や聴覚機能の栄養を補う働き/骨や足腰の機能を保つ働き/ホルモンバランスを維持する働き/身体を保温し潤いを蓄える働き
 
腎は寒さが苦手。
冷えると腎陽が弱っていき、腎の働きそのものも衰えやすくなります。
また冷えると血流が低下するため、その影響による症状も顕著に。

 ・下半身の冷え(特に下腹部や腰、お尻、足)
 ・足腰、膝のだるさや痛み、しびれ
 ・頻尿、夜間尿
 ・代謝の低下

さらに腎陰は、脳や骨の栄養分(脳髄・骨髄)の元になっていたり、体内の熱の高まり過ぎを鎮める役目も果たしていたりします。
そのため腎陰の減少は、さまざまな形で症状に現れます。

 ・手足や顔のほてり、寝汗
 ・記憶力低下
 ・不眠、気鬱
 ・耳鳴り、めまい
 ・歯や骨の虚弱化
 
 
また秋に引き続き、空気の乾燥による肺(粘膜)の潤いの減少による影響も。

 ・のど鼻の乾燥、空咳
 ・皮膚の乾燥
 ・便秘、コロコロ便

粘膜の乾燥はバリア機能の低下。
風邪などの感染症や感染性胃腸炎にもかかりやすくなります。