症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/09/17 (火)

秋のお彼岸に想うこと

 
9月19日から25日までは、秋のお彼岸ですね。

8月のお盆から約一ヵ月。
今月もお墓参りに行かれる方は少なからずいらっしゃると思います。


秋分の日は昼と夜の時間が同じくらいになる頃。
あの世とこの世の距離が最も近くなると言われ、
ご先祖様への想いが通じやすくなるそうです。

私はこのお盆、
「いつも見守ってくださりありがとうございます」のお墓参りをいたしましたが、
お彼岸は自宅より、西日を眺めながら、ご先祖の方々へ想いを馳せたいと思っています。



仏教では、出家していない人が悟りに至る修行のひとつとして、お彼岸の期間に「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を行うという方法があるそうです。


布施(ふせ)
 …施しをすること。物に限らず、笑顔や挨拶もそのひとつ。
持戒(じかい)
 …自らを戒め、道徳や規律を守ること。
忍辱(にんにく)
 …よく正しい心をもち、耐え忍ぶこと。
精進(しょうじん)
 …目的に向かってたゆまず努力すること。
禅定(ぜんじょう)
 …自分自身を見つめ、常に平静な心をもち続けること。
智慧(ちえ)
 …智慧を磨き、智慧を働かせ、偏りのない中道を目指すこと。
 
用語だけを見るとなんだか難しそうですが、
いずれの内容についても、当たり前にそうありたいな、と思う理想の姿。



この世に生まれてくることができた、自分自身の大切な命。
そして、同じように大切な、周りの方々の命。
苦しみも辛さも乗り越えて、精一杯、この生を全うして、
人にたくさん喜んでもらい、自分も喜べるように。


ここ最近の自分は、どんな風に生きているかな?
これからどのように、生きていきたいかな?


そのように、改めて自分を見つめてみるのもいいかもしれませんね。
 
 
 
ところで、
お彼岸は「お日願(ひがん)」とも言われ、
太陽の恵みにも感謝してきた古来の日本人。


そろそろ新米が出始める時期ですが、
今夏はスーパーや精米屋さんでお米が完売、というニュースが。
私が通うスーパーでも、連日お米の棚が空っぽになっていました。

その一方で、
家族からは梨やぶどうが届き、
今年もちゃんと秋が訪れているのを感じています。



毎年異常気象が続く中、
農作物を作る方にとっても、食事を作る人にとっても、
そして日々、食べることで生きている私たちにとっても、
自然の恵みをいただけることは、とても有り難いこと。


実りの秋。
美味しい果物やキノコ、野菜、魚などが豊富な季節。
改めて、その命をいただけることに感謝したいと思います。



自然に、そして
命を繋いできてくださったご先祖の方々や家族、周囲に感謝し、
自分自身を見つめ、
想いを馳せるひと時に。



[参考資料]
秋のお彼岸はいつ?意味・やることなど基本を解説
六波羅蜜とは