症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/06/10 (月)

10年来の後鼻漏 ―波はありながらも半年後には改善!

「後鼻漏で痰が喉にへばりついて気持ち悪くて…」
ホームページで調べられて来店された40代女性のお客様。

詳しくお話を伺うと、10年ほど前から後鼻漏でお悩み。
最近は喉の圧迫感、空気感、お腹のはりの症状が出るようになり、心配で病院に行って検査をしたが、異常はなし。
どうしていいか分からず色々と調べた結果、漢方を頼って来られたとのことでした。

また後鼻漏以外にも、逆流性食道炎、クモの巣状静脈瘤、肩の張り、足先の痺れなどの症状も気になるとのこと。

お客様の経過や背景もふまえると、ストレスなどによって気の流れが悪くなると同時に、胃腸の弱りによって水の流れも悪くなった結果、上記のような症状が出ていると考えられました。
そこでまずは、気の流れを良くすることで喉の圧迫感、空気感の症状を取っていく漢方薬から開始しました。
―紆余曲折しながら良くなるのが、体質改善の道のり―
まずは一ヵ月間しっかりと漢方薬を服用いただきました。

服用10日後にお電話でご様子をお伺いすると、
とても良く効いている感じがします。
喉の違和感、食道あたりの空気感、胃の不快感が軽減してきました!
とのこと。
予想よりも早い症状の改善に、私もびっくり。

そして、服用一ヵ月後のご来店。
症状の出る頻度は半分程度に減った。
喉の圧迫感、空気感などの違和感が気にならない日もあります!
と笑顔でお話されていました。


しかし…
しばらく調子の良い状態が続いておられましたが、気温が下がり、乾燥した日が多くなってきた頃。
喉の空気感が続いたり、症状が強く痰がからんで辛いとご連絡いただくこともありました。

今は気温、気候の変動が大きいので、体調に変調が起こりやすい時期。
のど鼻の症状や痰には胃腸の状態が影響しやすいので、胃腸を冷やさないように日頃の飲み物、お食事に気を付けること等お伝えさせていただきました。


その後も、症状の変化や状態に合わせて漢方薬の種類や量を少しずつ変更し、4ヵ月目。
お正月の疲れからなのか、調子が悪いことが続いているとのご連絡が。
少しの症状の悪化を、とても気にされているご様子でした。

気候や疲れ、ストレスの影響で、今は症状が出やすい時期。
でも、少しずつ確実に良くなってきていますよ。
少し良くなったり、少し悪くなったりを繰り返しながらも、少しずつ改善していきますから、頑張って継続されてくださいね。
とお伝え。

ご本人様は、
はい!一日中具合が悪いわけでもなく、安定している時間もあります。
漢方は楽しんで継続してみます。
と前向きにお返事くださいました。


その後からはご自身で体調の変化を受け止められるようになられたようで、さらに大きく改善されていきました。

そして服用6ヵ月後には気になる症状がほとんどなくなり、逆流性食道炎、肩の張りの症状も軽減されたため、漢方薬は最小量で継続しながら、さらなる体質改善を進められています。
 
 
漢方薬による根本的な体質改善は、まさに「継続は力なり」です。
そしてその過程では、調子が良くなる時もあれば、悪くなったと感じる時もあります。
それでも、お身体に合う漢方薬を続けていれば、内側ではちゃんと良い方向に身体が変化してくれています。

大切なのは、どんなときでも一喜一憂しすぎないこと。
心と身体は繋がっているので、
良いことを思っている方が、体調も良い方へ向かいやすくなります。


季節の変化やストレス、疲れなどによって、体調に波はあるもの。
いろいろある中でも、調子の良い時がちゃんとある。
自分の力で立て直せている。
だから大丈夫!きっと良くなる!

そう思いながら、諦めずに前向きに続けることの大切さを教えてくれたお客様。
これからもご自身の良くなる力を信じて、明るく人生を歩まれますように、応援しております。