更新日:2024/01/16 (火)
【一物全体】
「一物全体(いちもつぜんたい、いちぶつぜんたい)」とは、植物や動物などの生命あるものを、余すことなく丸ごといただくこと。
それこそが最も栄養をバランスよく摂ることができ、何より、その植物や動物の生命力、エネルギーを丸ごといただけます。
玄米がまさに代表格。
精製された白米からは失われてしまう栄養素、タンパク質やビタミン類、カルシウムや鉄分、亜鉛などのミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。
籾付であればさらに食物繊維が多く、ケイ素などのミネラルもプラスに。そのまま食べることはできませんが、黒煎りして挽いた粉末をお茶にすることで丸ごといただけます。
しらすなどの小魚も、丸ごと食べられますね。
野菜や果物も、根、葉、皮や種など、全体としてバランスがとれた状態で生きており、不要なところはありません。皮ごと煮込んでスープにしたり、ぬか漬けにすると美味しいものも。
ミカンの皮は干して使ったり(陳皮)、蓮の実やアンズの種子(杏仁)は薬膳料理にしたり、桃の種子(桃仁)は漢方薬で使われます。
本来自然のもの、生命を宿し生きているものには、無駄なものがなく、そのもの全体でバランスが整っています。
一方で、人工的に製造されたものには、命がありません。
それだけでバランスを取ることは難しく、偏りがあり、弊害が生じやすくなります。
そこから生命力は、生まれません。
生命のあるものは、いつでも簡単に手に入るものではなく、また際限なく得られるものではありません。
それだけ、尊い存在です。
だからこそ、無駄にせず、暴食せず、大切に、有り難いという気持ちで、その命の恵みをいただきます。
また、すべての生命が循環しながら生きていること。
そのためには、土、水、空気などの環境が、とても大切だということ。
そのような、私たちの周りを囲み、生きることを支えてくれている存在にも、ふと気づきます。
「いただきます」
「ごちそうさまでした」
そのようなことに想いを馳せながら口にすると、
一回一回のお食事がより美味しく感じられ、生きる力が湧いてくる気がします。
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