症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/06/07 (水)

インプラントは絶対にしたくない!漢方で歯を温存治療 ~相談員体験談~

 
「インプラントしかないですね。」
まだ40代前半でそんなことを告げられるとは思いもよらず、すぐに返答ができませんでした。
 
 
元々、下の歯の親知らずが横向きに生えており、隣の歯がうまく磨けない状態で数十年。
痛みが出てはその内痛まなくなるので、そのまま忘れて放置していたことがいけなかったのです。
歯科を受診した時にはかなり酷い虫歯になっていました。


親知らずを抜歯したあとに、虫歯を削り、神経を抜き、消毒し続ける治療が続きました。
毎回消毒しても、膿と血が出続けるので、詰め物ができず、「もう少し消毒しましょう。」ということが繰り返されて約3か月。

もう諦めたように歯科医師の先生に冒頭の言葉を告げられました。
 
 
健康には自信があっただけに、この年でインプラントすることには大きな抵抗感しかありませんでした。
しかし、どうすれば・・・、他に道は無いのか?

歯科医師の先生に相談したものの、他の治療法はあるが、健康な歯を削らなくてはならず長い目で見ると虫歯ではない歯の寿命が短くなるとのこと。

これは困った。

「どうするかの選択を考えたいので、1カ月待っていただけますか?」とお願いしてその日は帰宅しました。

私は漢方の専門家ではありますが、歯科治療については全くの素人。
まずは、インターネットで色々と検索をして調べてみたところ、かかりつけの先生のご意見に間違いはなさそう・・・。

自然療法はないかと調べていると、変わった歯科医師の先生を見つけました。
なんと虫歯を削らずに治す方法を実践している先生でした。
早速本を取り寄せ読んでみると、特殊な方法でしたが、虫歯は自然治癒が可能ということや、虫歯は食べ物や歯の磨き方だけではなく、体内環境と影響し合っているというような興味深いことも知れました。

ということは、恐らく漢方治療は有効・・・。

取り急ぎ、化膿止めに使用される漢方を懸命に煎じて、次の受診日まで毎日しっかり服用しました。
すると治療中の歯の根元の腫れが引いている感覚が得られたので、もしかすると膿が止まってきたかもしれないと少し期待しつつ、受診日を迎えました。

「腫れが引いてきていますね。」
「インプラントしなくて済みますか?」
「いえ、まだこの状況では、保存は難しいです。」
「後悔はしたくないので、もう少し待っていただけますか?」

同じ漢方を2週間服用して次回の受診日・・・
「膿がなくなりましたね。でもまだ出血が続いていますね。」
「出血が止まれば、保存できますか?」
「そうですねえ・・・。」
「もう少し待って下さい。」

次は炎症をしっかり抑え出血を止める漢方に変更して次の受診日・・・
「出血が大分少なくなりましたね。」
「もう少し待って下さい。」

もう2週間同じ漢方を服用して次の受診日・・・
「出血が止まっていますね。詰めましょう。」

こうしてインプラントを回避して、何とか虫歯が酷かった歯を温存することに成功。
まさに九死に一生を得ました。

その後も半年に一度の定期検診に行っていますが、今のところは何事もないようです。

一度削ってしまった歯はこまかいヒビが入ってしまい、長くはもたないそう。そして失った歯は戻ってきません。

何とか生き伸びた奥歯に感謝しつつ、毎日心を込めて磨いています。

皆様もどうぞ歯を大切に。