症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/02/13 (月)

【バリア機能を養う】

花粉症の症状は、花粉やPM2.5などのアレルゲン物質(風邪 ふうじゃ)が体内に侵入することによって生じます。
それらから身体を守るバリア機能を果たすのが、衛気(えき)。
鼻やのどの粘膜、皮膚など、体表面を覆うように私たちを守ってくれている、呼吸器系(肺)のエネルギーです。

衛気は、風に長時間さらされたり、睡眠不足や食事の不摂生などでも弱ってしまうので、日々養うことが大切。

とくに風邪を引きやすい、寒がり、冷房や冷たい風が苦手、汗がダラダラ出やすい、アレルギー体質の方などは、衛気が弱っている可能性大。
ぜひ以下の項目を習慣に取り入れてみてくださいね。
 
―衛気を養う習慣―
*太陽を浴びる、自然に触れる
私たちは食事以外の方法でも、自然界からたくさんのパワーを頂いています。そのひとつが、太陽や大地のエネルギー。
太陽光を浴びたり土に触れることで、その恩恵を授かっています。

とくに朝日を浴びて深呼吸すると自律神経が整い、肺の機能が高まります。
 
*深呼吸する
新鮮な空気も、やはり自然界から頂く大きなパワーのひとつ。体内の汚れをしっかり吐き出し、綺麗な空気に入れ替えるような気持ちで呼吸をすることで、肺が元気になり衛気が身体中にみなぎります!

口からふ~っとゆっくり長く息を吐いて、おへその下にグッと力を入れる。
そして鼻からスーッと深く吸い込み、おへその下にグッと力を入れる。
気分転換にもオススメです。
 
*散歩する
上記2項目を一度に実現できるのがお散歩。
足を動かすことは全身の気血のめぐりを促進し、衛気を循環させるのでより効果的です。
 
*乾布摩擦
乾いた布で肌を優しくこする乾布摩擦も、衛気を養うと言われています。
漢方的にみると皮膚と肺は経絡で繋がっているので、皮膚への適度な刺激が肺を鍛えてくれるのです。

ただし傷がある箇所は避けて、ゴシゴシ強くこすらず、優しく気持ちよい程度にしましょう。
 
*早く寝る
私たちが寝ている間、肺は肝と協働して体内の解毒を行っています。さらに肝は綺麗になった血液を蓄え充実させていき、それと連動して肺は気を充実させ、翌朝からの活動に備えます。

肺がむくむくと目覚め始めるのは早朝3時~5時頃。
肺の気、衛気に元気に働いてもらうには、少なくとも肝が養われる1時~3時の間は熟睡したいところです。


[参考文献]
『体内時刻を制すれば痛みが消える!不調がなくなる!』鈴木康玄 著



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