症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/10/10 (月)

【心身の滋養で秋冬も元気に!】

秋から冬にかけては『陰』の季節。
春夏の「発散」とは反対に、「収束・収れん」を意識するのが健康の秘訣です。

攻めるより守りに入る感覚で、自分の身体に不足しているものを滋養するとよいですよ。
 
[滋養する生活習慣]
*太陽を浴びる
季節と共に減少する「陽」のパワーを補うことで、身体を温め自律神経のバランスを整えます。

身体の陽の側面である「背中」に浴びると、身体も心もぽかぽかに。
 
*心をしずめる
イライラ感やソワソワ感、落ち着かなさや不眠を防ぐには、心をしずめるのが最適な秋。

本を読む、静かな音楽を聴く、日記を書く、湯船に浸かるなど、ゆったり穏やかな時間を大切に。
 
*悲しみ、憂いを味わう
センチメンタルな秋。感傷的な自分をコントロールできず、戸惑う方もいらっしゃいます。

ただ、このような感情の動きはあって当然のこと。
悲しみも憂いも、落ち込みも不安も、マイナスな感情と捉えられがちですが、これらを感じられることで気付きや学びもあるはずです。

春夏秋冬さまざまな季節がめぐることで自然が豊かになるのと同じように、人間も、さまざまな感情を味わうことで心が豊かに養われるのだと思います。
 
*喜び、楽しみ、笑顔を共有する
中医学的には、「悲しみ・憂い」の行き過ぎを「喜び・楽しみ」が和らげると言われています。

悲しい出来事の中にも、感謝や喜びを感じられる一片があるかも。
そこに光を当ててみることで、次の段階に進むきっかけが掴めるかもしれません。

「秋だからなぁ」と、うろこ雲に感情を乗せて流してしまうのも◎
誰かと共有して最後は笑い合えたら、もう大丈夫♪
 
*足腰を動かす
腎を元気にするには、足腰を動かすことから。
皆さまお馴染みの、もも上げやスクワットですね!

リズムよく呼吸を意識することで、肺も元気に!

ただし、秋冬は頑張り過ぎず、汗をかき過ぎないことがポイント。潤い不足が悪化します。
 
*身体を温める、保湿する
寒さが侵入しやすい首・手首・足首や、腎に直結する下腹部・腰を中心に保温を。

さらに全身しっかり保湿することで、バリア機能も万全に。
漢美潤シリーズは老若男女問わず使いやすく、べたつきが気になる方にもおすすめですよ。
 
*早く寝る
皆さまご存知の通り、23時~3時は睡眠で潤いを養う時間。

寝る前に目を酷使している方はとくに潤いを消耗しやすく、自律神経を司る『肝』も乱れがち。

敏感肌や呼吸器系のトラブルにも繋がりやすいので、夜はできるだけ目を閉じてリラックス♪
 
[滋養する食材]
  • 肌・髪の毛の潤いを補う
    枸杞の実、松の実、黒ゴマ、白ゴマ、水菜、百合根、山の芋、白キクラゲ、いちじく、くるみ、イワシ、サンマ、タコ、ひじき、卵、ヨーグルト、ハチミツ、オリーブ油 など
  • のど・肺の潤いを補う、咳・痰を鎮める
    松の実、白菜、水菜、百合根、山の芋、蓮根、白キクラゲ、りんご、梨、ぶどう、カリン、柿、いちじく、ざくろ、くるみ、ハマグリ、卵、ハチミツ、オリーブ油 など
  • 腸の潤いを補う、便秘を解消する
    松の実、黒ゴマ、白ゴマ、納豆、豆腐、オクラ、白菜、ほうれん草、小松菜、百合根、里芋、マイタケ、いちじく、くるみ、ひじき、ヨーグルト、ハチミツ、ごま油 など
  • 心を穏やかにする、自律神経を整える
    枸杞の実、ハスの実、百合根、蓮根、りんご、サバ、サンマ、牡蠣、イカ、エビ、タコ、卵 など


[参考資料]
『薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』西東社 出版
『東方栄養新書』梁 晨千鶴 著