症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/10/10 (月)

[腎、肝、心にも影響が…]

身体はひとつに繋がっているので、肺の影響は他の臓腑にも及びます。

とくに、
 ・夏の疲労が溜まっている方
 ・慢性的なストレスを感じている方
 ・慢性疾患(特に炎症)をお持ちの方
 ・夜更かしが習慣の方
 ・40歳以上の方 など
体内の潤いやエネルギーが不足しがちな方は、肺系統以外に症状が出ることも。
 
(1)腎
肺と親子の関係にある腎。肺が弱ると子の腎も弱ります。

さらに腎は寒さが苦手なため、秋~冬はとくに腎に関わる症状が出やすいです。
 
  • 腎の働き
    生命エネルギーを蓄える働き/発育・成長を促す働き/生殖機能を保つ働き/脳や聴覚機能の栄養を補う働き/骨や足腰の機能を保つ働き/ホルモンバランスを維持する働き/身体を保温し潤いを蓄える働き
 
夏の疲労や慢性疾患などで消耗が激しい方はとくに、
 ・下半身のだるさ、冷え
 ・めまい、耳鳴り
などが見られることがあります。
 
(2)肝
肝と肺はともに気を巡らせる働きをもつので、肺が弱ると肝の作用も乱れやすくなります。
 
  • 肝の働き
    気血の流れを調節し、自律神経やホルモンバランスを整える働き/血を蓄え、筋肉や子宮、視覚機能の栄養を補う働き
 
ストレスを感じやすくイライラしやすい方などはとくに、自律神経の乱れから
 ・耳鳴り、めまい
 ・頭痛
 ・情緒不安定
などに繋がることもあります。


また、肝と腎は相互に潤いを補い合い、自律神経やホルモンバランスを調節したり、髪の毛を美しく保つ働きを担っています。
そのため、
 ・抜け毛、髪のパサつき
 ・生理不順
 ・更年期症状
などが気になる方も増えます。
 
(3)心
心の血を送り出す働きは、肺の気を巡らせる働きに助けられています。

そのため肺が弱ると、動悸や息切れが起こりやすくなります。
 
  • 心の働き
    全身へ血を送り出す働き/精神・意識・思考を保つ働き
 
また、腎の潤いは心に発生しやすい過剰な熱を冷ます役割があるので、潤いが不足すると煩躁感(イライラ・ソワソワする)や不眠に繋がることもあります。



秋になると調子を崩しやすい方は、ぜひ『滋養する養生』で年末まで元気に過ごせますように!