症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/05/09 (月)

【どうして?雨の日の身体】

中医学的に私たちの身体を考えるとき、「脾(胃腸系)」「肺(呼吸器系)」「腎(生殖・泌尿器系)」の3つが主に水分代謝に関わります。
  • きれいな水と余分な水を分けて、きれいな水を全身へ届ける。
  • きれいな水で肌や粘膜を潤し、余分な水は腎へ送ったり汗として排泄する。
  • 余分な水を尿として排泄する。
ここで、川をイメージしてみてください。
流れが停滞したところは水がよどみ、川が濁ります。
雨が降ると水量が増し、ひどい時は濁流があふれます。

私たちの身体の中でも、同じようなことが起こります。
上の3つ(正確には他の臓腑も関係します)の働きが弱ると、よどんだ水が溜まります。
雨の日や多湿な場所では体内の湿気も増し、よどんだ水溜りが増えたり外へあふれたりします。

とくに湿気に弱いのが「脾」。さらに水は冷やす性質があり、「脾」「腎」は冷えにも弱いのです。

そのため、雨の日は湿気と冷えによるダメージを受けることで体のあちこちに余分な水がたまり、主に次のような症状が起こりやすくなります。
[頭痛、めまい、耳鳴り、鼻水・鼻づまり、湿疹、にきび、むくみ、食欲不振、吐き気、下痢、関節痛、頻尿、倦怠感、気分の落ち込み…等々]


雨の日のダメージを最小限におさえる方法のひとつが、食事の工夫。
消化・吸収を担う「脾」はとくに、雨の影響を受けやすいところ。労わってお食事を。
☆労わりポイント☆
*冷やさない
*よどみの元「脂」「濃い味」を控える
*除湿する
*脾の元気を補う(補気)
*気の巡りをよくする(健脾)
*解毒を助ける
*痰を除く(化痰)


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