症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/05/10 (火)

疲れた心の癒し方

5月の連休も終わり、新生活に弾んだ気持ちも落ち着いてくる頃。

爽やかな新緑に癒される日もあれば、しとしと降る雨に心うるおす日もあります。

もしかすると、色鮮やかな花に気後れしたり、連日の雨にうんざりしている方もいらっしゃるかもしれません。

「気持ちがすっきりしない」
「やる気が出ない」
「何をやっても楽しくない」
「心から笑えていない」

そんな方はきっと、昨冬からこの春にかけて、ずっと頑張ってこられたのだろうと思います。

家事や仕事、勉強といった活動だけではありません。
人付き合いの中で気を配り、勇気を出して声を掛ける。
誰かを想い、身を案じ、自分事のように心を寄せ、何ができるのだろうと考える。

そのように心を動かし続けることも、とてもエネルギーのいることです。


生きていると、毎日いろんなことに心動かされます。

どうしても相容れず傷つけあう人々。
繰り返される過ち。
そんな状況に悲観的になったり憤ったり、不安感に苛まれることもありますよね。
湧き起こる感情をエネルギーに、何かしら行動にうつす人もいるでしょう。


人間には、自分以外の誰かを想像し、思いやり、共感する力があります。
心傷めている人を心配し、一緒に悲しみ、幸せを祈り、諦めずに希望を見いだします。
それはとても素敵な力で、無限大の可能性を秘めています。

一方で、ちっぽけな自分の存在に、一体何ができるだろうと無力感を感じることもあります。


でもまずは、こうして今も生かされていること、それはとても有り難いことなんだと、一日一日に感謝する。
思うようにいかないことも、何かを学ばせていただく機会なんだと、有り難く受け取る。
そのようなことが、また前へ進む原動力になっているように思います。

そして、
「善いことを想い、善いことを行えば、善いことが起こる。」
「善いこと」とは、「利他」と「恕(じょ)」の心からくるもの。
相手を思いやり、お互いの違いを認め、ゆるし合う。人のためを思って動く。
その心をもって行動し続ければ、やがて善いことが起こるのだと感じます。

私は漢方みず堂の仲間、そしてお客様に出会い、そのような生き方を学ばせていただいています。


つらい時はひとりで抱え込まず、家族や友人、漢方みず堂の相談員やスタッフに、胸の内を話してみてください。

そして、どんなことがあった日も、できるだけ善いことで心を満たして眠りにつき、新しい朝が迎えられますように。