症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/03/14 (月)

命あるものに備わる絶大な力「自然治癒力」

【自然治癒力って…何?】
私が漢方を始めてから馴染み深くなった言葉「自然治癒力」。
初めは「免疫力」との違いもよく分からず、うまくイメージできませんでした。


風邪を治しているのは、風邪薬ではなく自分自身。
ケガを治すのは、絆創膏ではなく自分自身。
アレルギーや高血圧を治すのも、薬ではなく自分自身。

…たしかに。
一般的に、薬は症状が出るのを抑えてはいるけれども、病気そのものを治しているわけではありません。

例えば、
風邪は、薬を飲んで咳や鼻水を抑えて、そしてゆっくり休んでいる間に治ります。
休養することで、自分の免疫力で回復しています。

また血圧は、誰しも一時的に高くなったり低くなったりすることはあります。
階段を上った直後に測ると高いけれども、しばらく落ち着いて測ると下がります。
健康診断で注意されたとしても、食事や運動に気をつけて過ごしているうちに改善する人もいます。
これは「免疫力」というよりも、自律神経のバランスを整える力という感じ。

女性は年を重ねることでエストロゲン分泌が減って、ホットフラッシュやイライラ、不眠などに悩む方も増えますが、軽い症状や短期間で落ち着く方もいます。
これは、ホルモンバランスの変化に対応する力と言えるかもしれません。


その時の状況に応じて変化する身体…
そしてちょうど良い状態にバランスを取ろうと働く力…
これを、自分自身で治す力=「自然治癒力」と言うのか!!

そんな風に腑に落ちていったのを覚えています。

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