症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/15 (金)

子供の漢方

漢方的にみる子供の身体
子供の身体は、まだまだ成長過程にあります。

健康な成人の身体と比べると、どうしてもバランスを崩しやすく、不調が出やすい状態。
また逆に、回復しやすいのも特徴。
そして振り子のように、そのバランスは変化しやすく、症状が目まぐるしく変化しやすいです。

そのため、短期的にこまめに様子を伺いながら、その都度状態に合う対処を行うことがとても大切。

また子供は「陽」の性質を持ち、症状も熱を帯びやすく、活発で激しい性質があります。


成長段階ということは、早めに対策することで体質を整えやすい、ということでもあります。

子供の身体に起こりやすい症状を知り、その都度専門家に相談しながら、親御様はどっしりと構えて見守ることで、きっとお子様も安心し、のびのびと成長されることと思います。
 
(1)肺常不足
呼吸や、感染症から防御する機能に関わる「肺」の力は、不足していると考えられています。

そのためすぐに風邪を引きやすく、咳が出やすく、喘息になりやすいです。
代表的な漢方薬
桂枝加黄耆湯、人参養栄湯、補中益気湯など
 
(2)脾常不足
「脾」は、食べたものを消化吸収し、エネルギーである「気」、血液・栄養分である「血」、綺麗な水分である「津液」を作り、体中に巡らせる働き。
子供の頃は、この働きも弱いです。

そのため消化が悪く、すぐにお腹がいっぱいになったり、食べた後に吐き出してしまうことも。
夜尿症(おねしょ)や夜泣きの要因になっている場合もあります。
代表的な漢方薬
小建中湯、黄耆建中湯、補中益気湯、啓脾湯など
 
(3)腎常虚
生命エネルギーを蓄え、発育・成長・加齢に関わる「腎」も、まだまだ未熟な状態。
この働きは成長とともに充実していくものであり、そのスピードには個人差もあります。

ただし『五遅五軟』といって、発育の遅延がみられる場合は早めの適切な治療が必要です。
夜尿症にも関係します。
代表的な漢方薬
六味地黄丸、杞菊地黄丸、八味地黄丸、桂枝加竜骨牡蛎湯など
 
(4)肝常有余
自律神経や情緒と関係し、気血の巡りを調節している「肝」は、とても充実しています。

そのため感情の変化が激しく、楽しいときや喜んでいるときはすぐに笑い、些細な事で泣き出します。
夜泣きや夜尿症の要因になっていたり、歯ぎしりや痙攣が起こりやすい場合も。
代表的な漢方薬
竜胆瀉肝湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、釣藤散、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏など
 
(5)心常有余
全身に血液を巡らせたり、精神・意識と関わりのある「心」の力も充実しています。

「心」の状態は口腔・舌や顔面に現れやすく、口内炎が出やすかったり、熱を出しやすいのが特徴。
ヒステリーや眠りが浅い、夜泣きや夜尿症などがみられる場合もあります。
代表的な漢方薬
黄連阿膠湯、三黄瀉心湯、甘麦大棗湯など
 
『お子様のお悩み』を根本から改善するには、漢方薬を
漢方みず堂では大人の方はもちろん、お子様にも症状に合った漢方薬をご提案しております。

ご相談いただくお子様の症状は、
『アレルギー性の咳・鼻水・アトピー・夜尿症・成長が遅い・夜泣き・癇癪(かんしゃく)・チック・虚弱体質』など本当に様々。


漢方相談では、まずはなぜ症状が出ているのか、いま体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に最適な処方を選んでいきます。

また体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。
もともと胃腸が弱い、成長を主る腎が弱いなどもありますが、精神的な面やお食事の影響を受けている場合も多くみられます。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、心も体も健やかに成長していく大きな後押しとなります。

お子様の場合は、「漢方をちゃんと飲めるかどうか」もご不安だと思います。
ところが、子供は苦い漢方でもすんなり飲めることが多く、大人が驚かされることも。
また、味も必ずしも苦いとは限らず、飲みやすい味のものも多くて、漢方が大好きというお子様もいらっしゃるくらいです。

どうしてもご不安な場合は、1日分だけお渡しすることもできます。
まずはお気軽にご相談くださいませ。
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