症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/11 (月)

秋の憂いや悲しみを和らげる

秋らしく乾いた涼しい風が感じられ、徐々に衣を重ねていく時期ですね。
日暮れが早くなり、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。

今年の春夏も、私たちは色々なことを乗り越えてきました。
今まで当たり前のようにできていたことが叶わなかったり、
どう決断するのがよいのか悩んだり。
時には後ろめたい気持ちを抱く場面もあったことでしょう。
それでも、昨年よりは確実に前へ進んでいる。
そして今、何とかここに生きています。
人間は弱いようで、でも実はたくましいですね。

 

冷たい風を感じると、いつもより悲しくなったり、切なくなったり、先のことを憂いたりするかもしれません。泣きたくなる時もあるかもしれません。
それはきっと、一所懸命に生きているからこそ、ふと湧いてくるものだと思います。
だから、そのような時には無理せず、頑張った自分を優しく包み込んであげましょう。
もし周りにそのような方が居たら、そっと寄り添い、温かく受け止めてあげましょう。

漢方の陰陽五行説に感情を当てはめると、秋に抱きやすい「憂い・悲しみ」には「喜び」が勝ると考えられます。
こんな良いこともあったよね!
これは嬉しかった!楽しかった!
と、明るい出来事を思い出したり語り合ったり、好きなことに没頭したりして、
心から喜びを感じることも、憂いや悲しみを和らげてくれるはず。

何より、今ここにこうして、一緒に生きていられること。
泣いたり笑ったり、怒ったり喜んだりできること。
また新しい一日を、新しい季節を迎えられていることこそが、
喜ばしく有難いことでもありますね。

 

最近、下を向いてばかりだな。
最近、笑ってないな。
気付いたら猫背になって、最近、気分も沈みがちだな。
そのような方は、秋の空を見上げて、胸を開いて、深呼吸~。
空が高いなぁ。
雲が綺麗だなぁ。
穏やかに微笑んで、今日もいい日になりますように。