症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/09/14 (火)

中秋から晩秋の身体

漢方的には、秋は8・9・10月。
8月は早秋。まだまだ夏の暑さや湿気が強く残ります。
9月は中秋。気候が不安定ながらも徐々に気温・湿度が下がってきます。
10月は晩秋。感覚的には“秋本番”さながらの乾燥した空気に変わります。

 

木の葉の水分が減り、枯れて落ち葉で絨毯ができるように、私たちの身体の中も水分が減っていきます。
普段から身体にしっかり潤いのある方は、乾いた空気が涼しく心地よく感じるのですが、逆にいつも頑張りすぎていたり寝不足気味により身体の中の潤いが不足している方にとっては負担となることが多いです。

特に負担を受けやすいのは、のど鼻・肺・皮膚・大腸などの働きを担う「肺」
次のような不調が出やすいです。

□ 風邪を引きやすい
□ 咳・喘息
□ 秋の花粉症
□ アトピー性皮膚炎
□ 肌や頭皮の乾燥・痒み
□ 抜け毛
□ 便秘
など

また体内が乾燥すると、「煩躁(はんそう)」という状態も現れやすくなります。
これは頭や、首から胸あたりに火が燃えているようなイメージで、イライラしている感じです。
手足がばたついたり、落ち着きなく身体が動くような状態になることもあります。

 

ただ、それも短期的な変化で済むようなら大丈夫。自然の変化に順応できている証拠です。
少し心配なのは秋になると毎年繰り返す方、さらに冬にかけても不調が続く方。
慢性的に身体の中の潤いが不足していたり、もしくは乾燥や冷えなど、外の刺激から身体を防御する力が不足しているのかもしれません。また夏に頑張りすぎた方も不調が出やすいようです。
空気が乾燥してくる前に、身体の内側から対策しておくと安心ですよ。

➤【潤いと防御を大切に】