まず中医学では、人の身体は「気・血・津液(水)・精」で構成されていると考えます。
気または陽気
下の5つの作用をもつエネルギーが「気(陽気)」です。
・血液や水分などを巡らせたり、臓腑を働かせる
・外から身体に悪いものが入るのを防ぐ
・身体を温める
・血・津液・精や、汗や尿などを生成する
・汗や尿の排泄を制御したり、血が漏れ出ないように防いだり、臓腑を一定の場所にとどめる
血(けつ)
身体を流れる血液そのものはもちろん、脳、目、筋肉などあらゆる器官の栄養や潤いでもあり、情緒などの精神活動やホルモンにも関係するのが「血」です。
津液(しんえき)または水(すい)
体内の正常な水分である、体液や汗、涙、唾液、鼻水、尿、リンパ液などが「津液」です。「水」ともいいます。
精(せい)
漢方特有の概念で、すべての人が生まれながらに持っている生命エネルギーの源を「精」といいます。とくに加齢や過労で消耗していくものです。
潤い成分「陰液(いんえき)」とは
上記のうち、「血・津液・精」を合わせて「陰液(いんえき)」といいます。
これら三つは全く別のものとして切り離すことはできません。
例えば汗や尿が血液の中の毒素を出しているように「津液」は「血」の一部であり、また「血」と「精」は互換し合う性質を持っています。
三つを合わせた「陰液」は、心と身体が正常に機能するための栄養や潤いの素となり、特に女性においては、生理や妊娠・出産という場面で大きく関係します。
また陰液は、私たちが毎日口にしている食べ物や飲み物から作られ、そして夜間、睡眠中に解毒が行われることによりきれいな陰液が補充されます。
「気」の関わり
「気」も陰液と同様に、食べ物や飲み物から作られます。また太陽光や呼吸からも補充しています。
「気」は「血・津液・精」を導き動かす船頭のような役割がある為、「気」が整い、身体の隅々まで巡ってくれて初めて、心身が潤い成分「陰液」で満たされていきます。
“元気”“気力”がある方がお肌もピンっとハリがあるのは、「気」が十分に巡ることでたるみや内臓下垂を防いでいるのです。
では、「気」「陰液」の状態によって実際に私たちにどのような影響があるのか、チェックしながらご覧ください。