健康的に痩せるには運動や食事制限以外にも、睡眠の質を上げると実は成功します。
実際に、太っている人は睡眠不足という事実も多くの研究結果から判明しています。
睡眠は実は、人間の生理的欲求の1つで、うまくコントロールしないと逆に太る要因にもなるのです。
今回はその太る理由を分かりやすく解説します。
睡眠不足だと何で太るの?
睡眠不足になると何故太るのか?
それはズバリ、睡眠不足になることで、人間の体のホルモン、特定の脳内物質の分泌が減少するからです。
また、睡眠不足になることで、体の疲労が取れないため、簡易的な方法でエネルギーを調達するような食習慣になってしまいます。
睡眠不足になると知らないうちに食べることで、あらゆる体の問題を解消しようとするのです。
そうやって1日の摂取カロリーが運動や基礎代謝で消費されるカロリーよりも上回ることが続いていき太ってしまうのです。
食欲増進ホルモンのグレリンが分泌される
人間の食欲はレプチンとグレリンというホルモンによって制御されています。
グレリンは人間の胃が主に産生するホルモンの1つで、空腹になると血中濃度が増え、満腹になると減少する性質を持っています。
血中濃度にグレリンが増えることで、人間の摂食中枢に作用して、お腹すいたから食事を摂ろうという行動を起こすようになるのです。
ところがこのグレリンの分泌が睡眠不足になると、空腹時により多く分泌されることが研究で判明しました。
2日間十分睡眠を取ったあと、2日間4時間睡眠にすると、血中グレリンは28%上昇、血中レプチンは18%低下、空腹感や食欲も23 ~ 24%増加、特に高糖質食に対する食欲は32%も増加しました。
グレリンが過剰に分泌されると、ただ単に食べる量が増えるのではなく、高カロリーや高脂肪の食べ物を好む傾向が強くなるため、睡眠不足だと本来不要な栄養摂取の機会が増えるのです。
セロトニンが不足し高カロリーなものが食べたくなる
セロトニンは人間の脳内物質の1つで、分泌されることで幸福な気持ちにさせてくれるホルモンです。
美味しいものを食べると人間は必然的に心が満ちた幸せな気分になります。
セロトニンが分泌されるのは、人間が生きていくために食事をすることが楽しいという感情が湧くことで、生命維持のために栄養摂取が大切だと教える本能なのです。
実は、睡眠不足になるとセロトニンの分泌が著しく減少することが知られています。
そのため、日常生活で幸福な気持ちにならない場合、人間の脳は、食べ物によってその幸福を得ようとするのです。
本来、十分な睡眠を摂ることや美味しい食事を食べることで脳内のセロトニンはある程度分泌されます。
しかし、睡眠不足になると脳の疲労と共に、十分な睡眠によって得られるセロトニンの量が得ることが出来ないので、食事で補う行為で分泌量を増やそうとします。
また、高カロリーの食事には糖質や脂肪が含まれています。
実は、人間が生きていくためには、すぐエネルギーになる糖質や甘いもの、また高カロリーの脂肪は特に食べることでセロトニンが多く分泌されるのです。
寝不足の時に、高カロリーの食べ物が食べたくなるのはそのためです。
睡眠中に消費されるカロリーも少ない
実は睡眠はカロリーを消費してくれる貴重な時間でもあります。
単に寝ていると、痩せていないと思われがちですが、実はホルモン分泌によってしっかり睡眠を取ることで脂肪が燃焼されます。
その理由は睡眠不足により成長ホルモンの分泌量が減少するためです。
成長ホルモンは人間の筋肉に働きかけ、筋肉の脂肪燃焼作用を活性化する働きを持っています。
成長ホルモンは深い睡眠の時に分泌されますが、睡眠不足の場合は十分量の睡眠を得ることが出来ないためその量は激減します。
成長ホルモンがうまく分泌されず基礎代謝が下がる
成長ホルモンは、睡眠時に消費されるカロリーを増やすだけではありません。
分泌されることで、運動で鍛えた筋肉を太くするという働きを持っています。
トレーニングを行うことで筋肉が太くなるのは、筋肉の疲労や負傷があった場所に優先的に成長ホルモンが作用するからです。
普段の生活で、良く使う部位の筋肉が太くなったり、耐久性が上がるのはこのためなのです。
また、筋肉が太くなることで、人間が起床して就寝するために消費されるカロリーの数値である基礎代謝も上がりますが、成長ホルモンの分泌が減少することでトレーニングしても筋肉が太くならなくなります。
加えて、成長ホルモンが減少することで、筋肉が太くなることが無くなるため、基礎代謝の低下を引き起こしてしまうのです。
良質な睡眠をとるための睡眠前の習慣と寝方を身につけよう!
良質な睡眠を毎日習慣をつけるだけで、人間は痩せることがわかります。
不規則な生活や普段寝不足気味の人が生活習慣を整えるだけでも、体の不調を解消することは可能なのです。
また睡眠を取ることで、より運動の効果を上げることも可能です。
では、睡眠の質を上げて痩せるポイントを紹介します。
軽めの運動を心がける
まずは軽めの運動を習慣づけることが男性・女性とも大切です。
太る一番の原因は、摂取カロリーに対して、消費カロリーが少ないことです。
痩せるためには食事で摂取したカロリーよりも、燃焼させる体の土台を作ることが肝心になります。
ポイントとして踏まえてほしいのが、基礎代謝量を上げて痩せやすい体質にする筋トレ、脂肪燃焼効率が良い有酸素運動両方をうまく使い分けることです。
男性の場合は女性よりも筋肉量が多いため、運動をすることで痩せやすい体の土台を作ることが簡単です。
そのため、有酸素運動をする習慣をつけるだけでも痩せやすいです。
加えて、睡眠をしっかり取り、疲れを溜めない強度の運動を取り入れるだけでも効果があります。
女性の場合はホルモンの影響で、痩せやすい時期と痩せにくい時期があります。
加えて男性よりも筋力量が少ないため、筋トレの方が結果が出やすく、冷え性といった悩みも同時に消すことが出来ます。
また、生理前の10日は体が水分を溜めやすい時期で体重が1~2kg増える時期になります。
その時期に諦めないで普段の強度の運動を心がけることがポイントです。
男女とも無理に強度が強い運動よりも毎日軽めでもいいので続けることが何よりも大切です。
トリプトファンを多く含む朝食を食べる
睡眠に重要なメラトニンの材料になるトリプトファンは、朝食に摂取することで快適な睡眠を支える材料です。
トリプトファンは、人間の体を維持する上で体内で合成することが出来ない必須アミノ酸の1つです。
必須アミノ酸は食べ物のタンパク質の中に含まれており、加えて摂取でしか得ることが出来ません。
そのため、日々の生活で毎日推奨量摂取が望ましいとされています。
具体的には大豆を使った加工食品である、豆腐や豆乳、豆類、乳製品のチーズ、牛乳、ヨーグルト、穀物類に多く含まれており、雑穀も摂取するのがおすすめです。
こうした食材に意識を持ちつつ、なるべく朝食に食べるとより睡眠の質を上げることが出来ます。
夕食では脂質や糖質を控える
夕食では脂質や糖質の摂取は控えることが大切です。
これらは人間のエネルギーとして、活動することで燃焼されます。
ところが、睡眠の時間に近い時間帯では、体の代謝モードが夜のモードに切り替わりつつある時間帯のため、食事で摂取した糖質や脂質が燃焼されにくくなります。
燃焼しきれないエネルギーは体内に脂肪として溜め込んでしまうのです。
そのため、脂質や糖質が多いこってりとした物は夕食に食べることを控えるのがおすすめです。
でも、ボリュームがあるもの等を食べたい場合は、揚げ物や焼き物を避ける、サラダ等を増やすといった工夫をするだけでもかなり変わります。
38℃〜40℃の少しぬるめで入浴する
寝る前に、熱いと感じる42℃のお湯で入浴するのは入眠を考えるならおすすめは出来ません。
少しぬるめのお湯の38℃~40℃の温度で入浴することが大切です。
これは、熱いお湯に入ると人間の交感神経を活性化させてしまい、逆に寝付きが悪くなるからです。人間の体は睡眠時には少し体温が下がって、初めて眠ることができます。
入浴で熱いお風呂に入ることはその作用を阻害してしまいます。
そのため、入浴には38~40℃のお湯で入るのが、交感神経を過剰に活性化させずに、安眠につくのにおすすめの温度です。
寝る前に暖かい飲み物を飲む
寝る前に温かい飲み物を飲むのも、非常に安眠には重要な方法の1つです。
温かい飲み物を飲むことで、人間の睡眠に関わる副交感神経を刺激して、リラックスモードにすることが出来ます。
また、温かい飲み物を飲む際に、自然と腹式呼吸にもなるのも副交感神経を刺激します。
注意点はこの時点で紅茶やコーヒーといったカフェインが入っている飲料を飲むのはおすすめできません。
あくまで、カフェインが入っていない体を温める飲み物がおすすめで、牛乳やココア、フルーツティーやルイボスティーがおすすめです。
寝る前1時間はスマホを触らない
人間の体内時計は、脳内物質のメラトニンの分泌が大きな関係を持っていますが、このメラトニンは、光によって分泌の時間を制御しています。
人間が夜になると眠気が出てくるのは、このメラトニンが分泌されるタイミングが鍵なのです。
ところが、スマホの光源は日光ほどでは無いものの、強烈な光源の原因になります。
ゲームをやっている場合なら、音や目まぐるしく変わる画面で交感神経が興奮してしまうのです。
だらだら長時間、寝る前にスマホに触っているだけでも、人間の交感神経が刺激されるのと同時に、メラトニンの分泌が減少してしまうのです。
その結果、寝付きが悪くなる、眠りの質が低下してしまいます。
ヒーリング音楽を聞く
ヒーリング音楽を聞くと人間が眠くなるのは、人間の脳波のリラックスした状態と言われているα波を多く出し、緊張を解すからです。
ヒーリング音楽のジャンルはどの様なジャンルでも構いません。
注意点は、どんなに良い音とされているヒーリング音楽でも嫌いなものは逆にイライラの原因になります。
必ず聞いて落ち着く、好きな音の物を選んでください。
ヒーリング音楽でおすすめなのは、波の音や風の雨の音といった自然界に存在する音がおすすめです。
地球の生物はもちろん、人間も胎児の頃は母親の胎内の中にいた影響で特に水に関する効果音は安眠に効果が高いとされています。
部屋は暗くして寝る
部屋は暗くする、実はこれは出来ているようで出来ていない人がいます。
安眠には暗闇が必須ですが、スマホが置いて夜充電機の光が漏れていたり、目覚まし時計等に蛍光塗料光っていると完全な暗闇にはなりません。
そのため、完全な暗闇になっていないケースもあります。
また、カーテンの素材の関係で薄すぎるために外の光を完全遮断できていないこともあります。
住んでいる家周辺に街灯や強烈な光源を放つ看板がある場合は、遮光率が高い素材に変えることがおすすめです。
また、カーテンの長さは窓枠よりも10cmぐらい長い物を選ぶと、外の光をしっかり遮断することが出来ます。
最近話題の「3・3・7睡眠法」をご存知ですか?
3・3・7睡眠法とは、意識して睡眠を取ると人間の体の機能を調え、安眠につながると提唱されている方法です。
3・3・7睡眠法というゴロの良さを意識することで、生活習慣を整えやすく継続することで、規則正しい睡眠生活をサポートできるのです。
寝始め3時間は連続して寝る
まずは、睡眠を取る際には必ず3時間は連続で眠ることです。
人間の睡眠は連続数時間は眠りますが眠りの深さは就寝時間から起きるまで一定ではありません。
人間が大体起きるべき時間に起きることができるのは、睡眠の深さが就寝によって異なるからです。人間の睡眠の深さは基本、寝た直後から3時間が一番深い眠りになります。
この眠りが深い段階で成長ホルモンが分泌が盛んになるので、この時間帯で連続的な睡眠を得ることが出来ないと、良質の睡眠を得ることは出来ないのです。
午前3時までには必ず寝る
夜3時までには寝る、これも大切なポイントです。
朝起きて夜眠る生活習慣を土台としている人は、3時に一番成長ホルモンが分泌されます。
集中して成長ホルモンが分泌される時間帯に、しっかり安眠していることが痩せやすい体質を作るポイントです。
一番ピークにホルモンが分泌される時間帯に、深い睡眠状態にする。
就寝をし始める時間を意識するだけでもかなり睡眠の質が変わってきます。
睡眠時間は合計7時間を心がける
睡眠時間の合計は7時間を心がけるのは、一度に寝る時間が7時間じゃなくても大丈夫です。
6時間寝ても昼等に仮眠を取る時間を足して、その時間でも問題はありません。
睡眠を取る時間で重要なのは眠りすぎても、良い健康状態を維持できません。
また、合計7時間でも毎日眠る時間が1時間遅いとか早いとか変動があるのも体の不調の原因になります。
規則正しくほぼ同じ時間に寝る様に意識し、その時間数を守ることを大切にしてください。
眠りすぎは逆に良くない
睡眠不足が体に悪影響を及ぼすなら、たくさん寝れば良いのでは無いかと思う人もいますが、それは大きな間違いです。
逆に寝すぎることも、人間の体には悪影響を及ぼします。
その根拠は、睡眠は規則正しい適量な時間は一番体のリスクを減らすことが最近の研究で判明したためです。
睡眠で一番望ましいとされている6~7時間と8時間以上の睡眠を比較すると、心疾患のリスクが上昇することがわかりました。
加えて、善玉コレステロールの数値も低下することも判明されています。
重要なのは時間の長さではなくて、適切な睡眠時間を毎日同じ時間に可能な限り取ることと睡眠の質を上げることなのです。
良質な睡眠はダイエットだけではなく美容にも!
良質な睡眠はダイエットを成功させるだけではありません。
美容関係にも大きな影響力を持っています。
睡眠時に分泌される成長ホルモンは、人間の筋肉を作ったり補修するだけではありません。
人間の肌は、実は豊富なビタミンCやアミノ酸を材料とし、成長ホルモンが分泌されてセラミドやコラーゲンが作られます。
顔に深いシワができにくい、シミが目立ちにくい等は、成長ホルモンの分泌が大きな影響力を持っているのです。
肌のターンオーバーは本来28日ですが年齢を経るごとにそのペースは長くなっていきます。
その老化のスピードを遅くできるのは、睡眠をしっかり取ることで若々しい肌を手にすることができるのです。
また、抜け毛の予防にも睡眠は大きな関係があります。
実は、抜け毛が発生する原因として、成長ホルモンの分泌が関係しています。
成長ホルモンは筋肉だけではなくて、毛母細胞にも大きくかかわっています。
成長ホルモンは毛母細胞に働きかけ、髪の毛を発育させます。
また、髪の毛は発毛期、退行期、休止期があり、周期的に変化しています。
しかし、成長ホルモンが分泌されないと休止期にはいった髪の毛の毛根から髪の毛が生えにくくなります。
元気な頭皮を維持するには、しっかりとした睡眠は必須なのです。
睡眠やダイエットで何かお悩みがありましたらお気軽にご相談ください
体が怠い、重い、思ったように体が動かないといった体の知らない不調や冷え性といった症状。その根幹は睡眠不足が大きな原因になっているかもしれません。
日々の生活の中で、人間関係のストレスや気候変動によって本来元気な体の機能を発揮できない、維持できないといったことはありませんか?
こうした症状は単に、体の些細な不調ではなくて、土台になっている体の機能の調子が悪いということに繋がっています。
睡眠不足と思われがちな症状ですがその根幹は不眠症が原因かもしれません。こうした不調が一ヶ月続いている場合は不眠症の可能性が高いのです。
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漢方では、睡眠不足を血液の質の改善や自律神経の作用に重点的に特化して、体の体質改善を緩やかに行っていきます。
眠れないという症状を改善するために、その根幹の原因にアプローチをしていくことで自然な就寝習慣に戻すことを目的としています。
一人で悩みを抱えずお気軽にご相談ください。