カミツレ・カモミールには2種類
カミツレは別名カモミールとしてもよく知られるハーブです。ハーブやアロマの世界でカモミールといえば「神経を鎮めてリラックス効果をあたえる薬草」として有名です。眠れない夜にお世話になったこともあるのではないでしょうか?花もかわいらしいですが、何と言ってもそのかおりが私は大好きです。リンゴのようなやさしい甘いかおりですよね!なにを隠そう、学名の「Chamomile」は、ギリシャ語でkamai(大地の)melon(リンゴ)に由来しているように名前からもそのことがうかがえます。
カミツレの薬草としての使用は古く、紀元前2千年の古代バビロニアでも感冒、頭痛、下痢などに用いられてきました。特に消化器系の症状である、胃痛、胃弱、胃酸過多、腸内ガスなどに適しているとされていました。
小さい花ではあるけれど、生命力に溢れた存在です。生えているところも、地に這うように生え、踏まれれば踏まれるほどよく育つのがこの花の特徴でもあるそうです。植物の生命力の力を借りて私たちの体が守られているかと思うと、本当に命のありがたみを感じます。
実はカモミールには「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種類があり、それぞれに薬効も特徴も違います。
ジャーマンカモミール
ジャーマンカモミールの特徴は、中央は黄色く膨らみ、周囲は白色の花びらに囲まれ特有の香りがあります。※写真はジャーマン種です。
一年草で小型、花だけが香り、さっぱりとした味ですので、ハーブティーに適しています。
ジャーマンカモミールに多く含まれる精油成分であるマトリシンを蒸留すると得られる青色の「アズレン」は胃炎、胃潰瘍、の内服薬のほか、口内炎や扁桃炎のうがい薬、湿疹の軟膏剤などの原料になっています。
ドイツで治療目的での使用が認められているのはジャーマン種のみです。
ローマンカモミール
ローマンカモミールの特徴は、ジャーマン種に比べると中央は平たく、花だけでなく茎や草も香りがあります。
多年草で大型、甘いリンゴのような香りが強いために、エッセンシャルオイルや入浴剤などに使われています。
鎮静作用のあるエステル類を多く含み、その香りは心身をリラックスさせや不眠に効果があるとされています。ジャーマンカモミールに比べて穏やかに作用するという特徴をもっています。
利用法
- 風邪の初期や頭痛、下痢のとき:ジャーマンカモミールがおすすめ
→花ひとつまみに熱湯を注ぎ、カミツレティーとして飲む。
- リウマチ、痔疾、冷え性、心身の疲労のとき:ローマンカモミールがおすすめ
→花や茎葉を木綿袋に入れて入浴剤として使う。