リュウコツと聞くとスミソニアン博物館にあるような恐竜の骨格標本を思い浮かべますが、新生代のマンモスゾウ・サイ・シカ・ウマなどの大型哺乳動物の化石化した骨です。
地中から掘り出された骨を古代中国人は恐竜から想定した龍の骨と考えたようです。もしかしたら本物の恐竜の化石も紛れ込んでいたかも。
主成分はカルシウムで、鎮静・鎮痙薬として心悸亢進・不眠症・精神不安などに用います。
竜骨を含む漢方薬には桂枝加竜骨牡蠣湯・柴胡加竜骨牡蠣湯があります。
ストレスの多い現代にはよく出る処方なので、本当に全部化石なのかな?掘り尽くしたらどうなるのだろう?と思ってしまいます。
佐賀県鳥栖市にある中富記念くすり博物館には少し大きな塊の標本が展示されています。
先月薬剤師の交流会で見学に行きました。
啓発的な講演もあり、博物館でも若い女性の丁寧な説明を受けたのですが、名物館長さんのお話を伺ったらすっかり圧倒されてしまいました。
今迄で1番長い一角を見ましたが、一角獣ならぬ一角鯨のオスは海中で一角の長さを競い、1番長いオスがメスを1人占めならぬ、1頭占めするとかー
2匹のオオヤモリの干物を腹面で1対にしたゴウカイという漢方薬はオスとメスを「失楽園」のラストシーンにしないと効かないと東洋医学の大家に言われ、見学者から見えないように斜めに展示しているとかー、
稲作に不適な対馬の飛び地だった鳥栖の田代は置き薬産業が盛んになるにつれ、対馬の領主から弾圧されるものの、代々の単身赴任の代官を色仕掛けで抱き込んで、少しのお金を納めるだけで、米ではなく薬を作り続けられるようにしたとかー
館長の艶っぽいお話を伺って笑ってしまえば、少しはストレスも解消されるでしょうか?