中国には身体の悪い所には同じ部分が効くという考え方があります。
手が悪ければ熊の掌のように手、
足が悪ければ豚足のように足、
心臓が悪ければハツや形の似ているトマトというように。
頭が悪いと・・・?フレンチでは豚の脳みそを食べることもありますが、
形が似ているので脳には胡桃が効くと言われます。
そろそろおせちの広告が出てきましたが、おせちにも色々な願いが込められています。
数の子は子孫繁栄、
黒豆は黒くなるまでまめに働けるように、
田作り(小魚の飴煮)は漁業・農業の大漁・豊作、
昆布巻きはよろこぶ、
鯛はめでたい、
海老は腰が曲がるまでと長寿、
きんとんは金運、
そしてたたき牛蒡は細く長い根を張るように
と長寿と一族繁栄を願って食します。
これらは単なる言葉遊びではなく、
よい言葉は幸運をもたらすという日本古来の言霊(コトダマ)信仰に基づいていると最近知りました。
キク科の越年草ゴボウの根は食用にし、葉は牛蒡葉(ゴボウヨウ)と呼ばれ、
消炎・収斂・駆風・催吐作用があります。
果実即ち種子は牛蒡子(ゴボウシ)・悪実(アクジツ)・大力子(ダイリキシ)とも呼ばれ、
消炎・排膿・利尿・解毒・解熱薬として、喉痛・腫れ物・浮腫・皮膚炎などに用いられます。
牛蒡子は柴胡清肝湯・消風散に含まれ、皮膚疾患などに用いられます。
また乳腺炎にも有名で、若いパパさんが乳腺炎にいいと聞いて・・・
とお買い求めにいらっしゃることも多々あります。
漢方薬は根に薬効があるものも多いのですが、牛蒡は根が食用です。
食用にする国は珍しく、食糧難の戦時中に捕虜に少しでも食べ物をと牛蒡を与えた所、
戦後木の根を食べさせられて虐待されたと訴えられたと聞いたことがあります。
和食の伝統を受け継ぐ牛蒡は食物繊維を多く含みます。
皮膚の調子を整えるよう、先ずは牛蒡の根の方を食べて、腸の調子を整えましょう。