最近、漢方薬の卸さんの社長から人参の価格高騰で困っているという話を伺いました。
人参といってもうさぎさんが好きな野菜の人参ではありません!
食用のセリ科のニンジンも、生葉は口内炎・扁桃炎・うがい薬に用い、
種子には利尿作用が、根には強壮・強心・健胃・鎮静作用があります。
薬用はウコギ科のオタネニンジン=いわゆるチョウセンニンジンの根をニンジンと呼び、
強壮・強心・健胃・鎮静作用があり、食欲不振・消化不良・下痢・嘔吐・衰弱・心痛などに用いられます。
作用だけを挙げると食用も薬用も同じように見えますが、薬用の方は多くの薬理作用も確認され、
加工の仕方で様々な呼び方と効き目の違いがあり、実に色々な漢方薬に含まれています。
高価な為、後に代用品として竹節人参なども出てきますが、
江戸時代に病気の親の為に娘が身売りをしてまで買った薬というのはこのオタネニンジンだと言われます。
人参を多く含む漢方薬には四君子湯・六君子湯・補中益気湯などが、
人参の名がつく漢方薬には人参湯・桂枝人参湯・人参養栄湯・白虎加人参湯などがあります。
どれも胃の衰弱による新陳代謝の低下を高める効果を期待して使用します。
年末年始に向けて胃が弱い方にはピッタリの処方かもしれませんね。