先ず、「冬虫夏草」と書いて「とうちゅうかそう」と読みます。
冬虫夏草はチベット、青海、四川、雲南といった中国の高原にわずかに生息するキノコの一種であり、
中国では古くから薬草として用いられ、宮廷において「強精強壮・不老長寿の妙薬」として珍重されてきました。
「冬虫夏草」の名称は、チベットで古くに、この菌が冬は虫の姿で過ごし、
夏になると草になると考えたことから名付けられたそうです。
「冬虫夏草」は昆虫と菌種の結合体で、“虫”は蛾科の昆虫のこと、
菌種は「冬虫夏草」菌 (Cordyceps sinensis Berk Sacc)のことです。
夏になると、色鮮やかなたくさんの蝶が山中を飛び、花にたくさんの卵を産みます。
やがて卵が幼虫に孵化し、土の中に潜り、植物の根の栄養分を吸収して大きく成長します。
この時「冬虫夏草」菌がこの昆虫につくと、菌はまず昆虫の体内に侵入し、
昆虫の豊富な栄養分を吸収しながら、ぐんぐんと育っていきます。
長い冬の間に、菌は昆虫の体内で成長します。
形は昆虫の形が残っていますが、中身はもう菌に変わっているのです。
これが“冬虫”です。
春の終わり頃から初夏にかけて、菌に変わった“虫”は発芽し、
小さな頭(菌の子実体)が地面に出ます。
この時が最も採集に適した時期です。
そのまま放置するとやがてその小さい頭は草(細長い棍棒型)になります。
これが“夏草”です。
この奇妙な自然生態ゆえに「冬虫夏草」と呼ばれたそうです。
ちょっと気持ち悪いと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、
あくまでも「菌」つまりキノコですのでご安心ください。
次回以降冬虫夏草の持つ素晴らしい効果をご紹介していきますが、
その素晴らしさを知ると、気持ち悪さも吹っ飛ぶことと思います。
どうぞお楽しみに!