木偏に冬と書く柊(ヒイラギ)は11月に白い花を咲かせます。
日本ではとげのある葉から厄除けとして節分に用いられます。
赤い実をつけた葉が実はクリスマスケーキの飾りです。
同じモクセイ科の金木犀(キンモクセイ)も20年位前には9月に咲いていたのに、地球温暖化のせいか、今年は10月に咲きました。
花を焼酎に浸けて胃炎・低血圧・不眠症などに用いるモクセイにはキンモクセイ(丹桂)・ギンモクセイ(銀桂)・ウスギモクセイ(金桂)があります。
同じ桂の字がついても桂皮(ケイヒ)はクスノキ科です。
ちなみに楠(クスノキ)は佐賀市の樹です。
中国産肉桂の樹皮を桂皮(ケイヒ)、若枝を桂枝(ケイシ)、果実を肉桂子(ニクケイシ)と呼び、芳香性健胃薬であり、駆風・解熱・鎮痛・去痰作用があり、頭痛・発熱・感冒・身体疼痛などに用いられます。
桂皮は安中散・黄耆建中湯・桂枝湯・桂枝加黄耆湯・桂枝加葛根湯・桂枝加芍薬湯・桂枝加竜骨牡蠣湯・桂枝加朮附湯・桂枝人参湯・桂枝茯苓丸・小建中湯・桃核承気湯・当帰建中湯・麻黄湯・苓桂朮甘湯を始めとして多数の漢方薬に含まれます。
葛根湯・小青竜湯・桂麻各半湯などおなじみの感冒薬にも含まれます。
薬局で桂皮を量っていると、そのシナモンの香りからアップルパイやミンスパイなどの焼き菓子を思い起こして、どの季節でもクリスマス気分になってしまいます。
シナモンスティックで紅茶を掻き回すだけでシナモンティの出来上がりです。
解熱作用だけでなく、冷えている体をじんわり温める作用もあるので、
シナモンを使ったケーキなどを食べて、風邪をひかないようにして、再び太陽が巡り来る季節を迎えましょう。