秋は薄毛・抜け毛に要注意
今年は秋が長く、朝晩の気温差が大きい日が続いていますね。
こういう時期、抜け毛や薄毛でお悩みの方も多いのでは、と思います。秋は乾燥し、風邪(ふうじゃ)も勢いのあるとき。
血が日頃から不足しがちで、ストレスがあると、髪の毛に影響が出ることも多いのです。シャンプーだけでなく、内側からケアしていきたいですね!
41歳男性の薄毛が漢方を服用し、5か月ほどで改善
最初は会社の仕事の内容が変わってしばらくした頃、頭皮に湿疹ができます。かゆみ、赤み、そしてフケ。
「脂漏性皮膚炎」と診断され、ステロイドと抗真菌薬の塗り薬で抑えることができ、悪くなりそうなときに塗れば、それほど気にならなくなりました。
ところが、抜け毛が増え、なんだか地肌が見えるように。。。
皮膚の調子が悪い時は薬を塗りたいけど、髪がべったりして、地肌が余計に見えるので、塗りたくなくなりました。
そして、一時的な転勤を命じられ、住み慣れた土地、ご家族と離れることに。そのころには、明らかに薄くなったとわかるようになりました。
体質としては、中肉中背。食生活は問題ありませんが、睡眠時間が短い状態が続いていました。そして、乾燥肌。年齢はまだ若いのに尿のキレが悪くなったと感じていました。また、血圧の変動も激しく、お仕事が変わったり環境が変わったりと、ストレスはかかっていたはずです。
髪の毛は「血余」
「血」は栄養分や潤いにあたりますが、それが余ったものが髪の毛。抜けると言う事は、血が髪に行き届いていないということです。
その原因には色々とありますが、この方の場合は、以下3つが考えられます。
①肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
「肝」は血を蔵するところ。「腎」は精(生きる源のようなもの)を蔵するところ。そして、精と血は互いに姿を変え、行き来します。「肝腎同源」といわれる所以です。肝の血が虚した状態が続けば、腎の精も少なくなる。またその逆も然りです。
この方の肝血や腎精が減る要因になったのは、2つ。ひとつは、睡眠時間がしっかりとれなかったこと。そしてもうひとつは転勤の頃に外傷性の骨頭壊死で足の手術をなさっていたこと。術後の経過は順調で、体力ももどっていましたが、手術となれば出血があります。その影響も少なからずあったと考えます。
②肝鬱血瘀(かんうつけつお)
「肝」は「流す」ことをつかさどっています。ストレスや緊張があると、「肝」の不調がおき、流れが悪くなります。一番影響を受けるのは、「血」。「肝」は「血」がた~っぷりあるので、すぐに血の流れが悪くなってしまいます。そうすると、頭まで栄養分がいかず、抜けてしまいます。
③風邪(ふうじゃ)の影響
陰血が不足していると、風邪(ふうじゃ)という、外からの邪気が頭から入ってきやすくなります。名前のとおり、「風」の性質をもつので、ドライヤーで乾かすがごとく、潤いがなくなり、血が消耗し、栄養分がなくなってしまって、急速に髪が抜けます。急性期のときは、この「風盛血燥」も原因のひとつです。