症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

喉のつまりは梅核気(ばいかくき)

毎年繰り返す喉の違和感

一日中、膜が張ったような、何かが喉にひっかかる感じが、毎年冬になると出ていたのが、今年は夏から症状が出てきているとのこと。
痰が絡んだような咳をすると、横できいている人に嫌な思いをさせているのでは・・。そう思うと、ますます気になってしょうがない!とイライラも募る一方。

梅核気(ばいかくき)/咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)

漢方で喉のつまりや喉に何かがある感じを「梅核気(ばいかくき)」または「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)」と言います。

読んで字の如く、梅核気:梅の種が喉にあるような感じのこと。咽中炙臠:炙った肉が喉にはりついているような感じのことです。

病院で検査しても何も見つからず、理解してもらえない場合が多いようです。

漢方ではまさに「気滞(きたい)」の症状です。「気」が長いこと鬱滞し、「痰」が生じ、喉に気と痰が留まっている状態です。

気の流れを改善し、鬱滞をとる「疏肝解鬱」と、痰が生じないよう「健脾化痰」の漢方を飲んでいただきました。

季節と共に変化する

漢方を始めて2週間程でのど飴を食べる回数が減ったのですが、2ヶ月後、冬になり寒くなると症状がぶり返してしまいました。
4ヶ月後、まだまだ寒さが残り喉の調子は変わりませんでしたが、そういえば前に比べると風邪をひいていない!?と嬉しい変化がありました。
7ヶ月後、気温が暖かくなると共に喉の調子は落ち着きました。

「全然よくならなかった。」

最初に良い変化があり期待されていた分、落胆されていました。
しかし、長い期間お悩みの方には良くなるのにも時間が必要です。次の冬には、喉を気にせず過ごせるように!!という目標を立て、量を減らしながらも地道に続けられました。

そしてスタートから1年後の秋。咳が出ませんでした。
このまま良い状態が続きますように!!と願いながら迎えた冬・・喉飴や喉のスプレーもあまり必要とせず、無事に冬を過ごされました。

1年でやっと効果がありましたね~と笑って頂けた時は、とても嬉しかったです。
これからも寒い冬を楽しく過ごして頂きたいです。