涙が出るほど痛い
暑い夏の日、顔面神経痛が辛く、なんとかならないかというご相談を受けました。80歳とは思えない、とてもハキハキとされた女性からでした。
顔の左半分がピリピリピリピリする。車で窓が開いていて風が顔に当たるだけで痛い。痛み止めをのんでも良くならない、病院へ行っても良くならない。食事をするときにも涙が出る。会話をするときにも涙が出る。とにかく「治さにゃいかん!」(治さないといけないんだ!)という気持ちで隣町から娘さんに運転してもらってはるばる来ていただいていました。お話している最中も痛みをこらえている姿を目の当たりにし、ほんとうにお辛そうで一刻も早く痛みがとれることを心から願いました。
だんだんと良くなる過程
はじめは、トゲで刺されるような辛い痛みが続いていました。でも 「コレで治る、コレで治る」と信じて耐えていらっしゃいました。
漢方を飲み始めて2週間を過ぎたぐらいからだんだんと良くなり、1か月後、食事の時以外など何もしていなければ痛みを忘れる日が出てきたとのこと!
それから、だんだんと食事中食べ物を噛んでも痛みが減ってきて、痛みがない日が出てきたというご報告を受けました。
信じること
特に印象に残ったのは、自分の治す力を信じることの大切さです。
「コレで治る、コレで治る」と、すぐには結果が出なくても信じて続けたこと、 「治さにゃいかん!」という強い気持ちが、体にも良い意味で影響を及ぼしたと思います。
病気を治すのは、自分。人間には自然治癒力があります。薬が病気を治すのではなく、自然治癒力が治すのであって、薬はその自然治癒力を発揮させるためのものであると思います。治療の中には、一時的に良くなったように感じさせる一方で自然治癒力を落としてしまう治療もあります。漢方は、自然治癒力を高めることを基本に考え、ほんとうの意味で身体を良くしていくものです。今回はそういったことを自分も改めて教えて頂きました。
ありがとうございました。