症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/23 (月)

うつ病と逆流性胃腸炎~漢方的原因は同じ~

引越しをきかっけにうつ病、逆流性胃腸炎

47歳の小柄でとても華奢な女性の方のお話です。

約1年前に引っ越してきて、慣れない環境から胃に痛みが出るように。逆流性胃腸炎と判断されたのは2ヶ月前。

実は7ヶ前に鬱症状が出ていて、抗鬱剤を服用されていました。一人になった時、暇な時間が出来た時、キリキリと痛みが出てくるとの事でした。

体調改善と共に変わった言葉

漢方をスタートして1ヶ月目で、胃の痛みが減り、3ヶ月後には病院の先生から「もう治療はしなくて大丈夫。」と言われ、抗鬱剤がなくなりました!

同じころ胃腸薬を飲まずとも、胃の痛みが出ることがなくなりました。

その後も大きなストレスがかかると、キリッと一瞬痛みがはしる事がありましたが、「自分はもう大丈夫!!」と思う事で、すぐにおさまるようになりました。

最初の頃は「痛みが・・。」「なんでこんな事に・・。」と後ろ向きな言葉が多かったのが、体調が良くなってくるのと共に、「周りの方々に助けて頂きながら頑張っています。」と前向きな感謝の言葉が多くなりました。心身一如(心と体はつながっている)とはまさにこういうことだと感じました。

胃の痛みがなくなって、うつ病も良くなったのは偶然?

実は胃の痛みがなくなってうつ病も良くなったのは、漢方的には大変納得のいくことです。

漢方では精神・意識・感情が行き過ぎると体に影響を及ぼすと考えられます。くよくよ思い悩むと胃腸の働きが低下しやすい、逆に胃腸が弱い人はくよくよ思い悩むタイプが多いということです。ちびまるこちゃんの山根君といったところでしょうか!?

今回の方も元々大変華奢(=胃腸虚弱)で、そこに引っ越しというストレスがかかり、胃腸にさらに負担がかかった状態。そうなると、熱を持った邪気がたまり、疑い深くなったり精神状態が不安定になります。漢方では狐に惑わされる病気、“狐惑病(こわくびょう)”と呼んだりします。

 

今では数ヶ月に一度「元気にしてますよ!」と話される明るい笑顔に私が癒されています。