症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/23 (月)

42歳自然妊娠〜ステップアップしない選択~

自然妊娠の可能性を信じて

最初にお会いしたときは、40歳。38歳のときに自然妊娠しましたが、心拍確認前、流産に。その後ご夫婦でそれぞれの検査をし、問題ないということで半年間はタイミング療法をされていました。ところが、なかなか結果がでず、病院からは次のステップとして人工授精や体外受精を勧められているとのことでした。

ただ、ご主人様が自然にというお気持ちを持っていらっしゃること、そして何よりご本人様も、一度妊娠できたんだから、きちんと体質を整え直したらもう一度自然に授かる可能性はある、ととても前向きなお気持ちでした。

一見無関係な症状も、実はつながっている

ご妊娠希望の他に、足の裏のほてりやむくみ、肩こりなども体の悩みの一つとしてありました。

足の裏のほてりは漢方では「虚熱」の代表的な症状とされます。

からだの潤いである「陰」。これは車に例えるとガソリンのようなものです。それが足りなくなると、心臓から一番遠い足の裏に熱がこもってくるのです。そして何より、陰血が不足することは、赤ちゃんを授かる力にも影響してきます。

一見無関係な足のほてりと婦人科ですが、漢方では体全体がつながっている(心と体もつながっています!)と考えるので、原因が同じであることも多いのです。

最初はその「陰」を補う漢方などをのんでいただき、1ヶ月経つ頃には足のほてりやむくみの症状がなくなりました。ところがまだ排卵がうまくいかず生理周期が長くなることが時々あったので、その都度漢方も変更していきました。

2度目の流産も乗り越え・・・

漢方スタートして7ヶ月後。妊娠反応が出て、胎嚢まで確認されましたが、今回も心拍確認前に流産となってしまいました。ただ、漢方で体質が良くなっている確信と、自分に生む力があるのだ!と再び自信につながったご様子でした。

流産してしまうのには、いくつか理由があります。この方の場合は、妊娠反応が出た後、産婦人科の先生のお考えで漢方服用を中止していました。お腹の赤ちゃんの栄養はお母さんの「血」。妊娠中はいつも以上に「血」が必要になります。元々不足しやすい体質だったので、赤ちゃんの栄養があまり届かなかったと考えられます。

そしてさらに5ヶ月後。再び妊娠反応。今回は妊娠中にも「血」を補い、赤ちゃんがしっかりと育つようにサポート。妊娠中はむくみやすくもなるので、その対策もできるものをのんでいただきました。

妊娠中期、貧血になった時は、急速に血を補ってくれる漢方薬と交互にのんでいただき貧血の数値も安定され、42歳の春、無事にご出産されました!

 

どんな状況のときも、自分で自分の体を信じてあげる、可能性を信じてあげる。やっぱり一番の味方は自分自身なんですよね!そんなことに気づかせていただいたお客様でした。