症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/23 (月)

一度は終えた不妊治療~45歳初産の奇跡~

43歳で初めての自然妊娠

相談に来られた時の第一声は、「卵子の力をつけたいんです」でした。

お話をお伺いすると、2ヶ月前に43歳で初めて自然妊娠したが、6週で流産してしまったとのこと。

「とても悲しく、落ち込んだけれど、それと同時に妊娠できたことがとても嬉しかった。」というのも、実は20代の頃5年間不妊治療をしていたものの、一度も着床にいたらないまま治療を終えていた過去がありました。また、卵巣嚢腫のため40歳で卵巣を一つ摘出していたこともあり、何となく子供のことは心の中にしまっていたところ今回の事で、まだチャンスがあるのなら、体調を整えて子を授かりたいという思いが強くなったとのことでした。

とはいえいざ生活環境をお伺いすると、長時間勤務・休日出勤は当たり前のハードワーカー。お顔色も優れず、見るからに疲弊しきっているご様子が心配になりました。

体質改善の道のり

お子様を授かりやすい身体づくりのためにも、まずは日々を元気に過ごせるように体調を整えましょうと、まずは気血を補う漢方をお出しして飲んでいただきました。服用開始から一ヵ月後、見違えるほどお顔色が良くなっていてびっくり!それから2~3ヶ月と続ける毎に、毎月悩まされていたヘルペスが出にくくなり、相変わらずのハードな生活の中でも、以前よりぐったりすることはなくなりました。

とはいえ月経前後の肌トラブルや症状があり、マリンプラセンタなどが入ったドリンクを追加し、ホルモンバランスを整え良質な卵子をつくる取り組みを始めました。

そこから約半年、部署異動を経て少し体への負担も減り、体力もかなりついてきました。ですがストレスが多く喫煙習慣が抜けないこともあり、血圧はなかなか下がらず、頭痛や立ちくらみの改善もいまひとつでした。

そこで今までは気血を補うことが中心だった漢方薬を、肝気の滞りをほぐし、瘀血を取り血のめぐりをきれいにするアプローチに変更して様子をみることにしました。

45歳を迎え、妊活に区切りを付ける決心

その頃お客様はもうすぐ45歳。同年代では妊活を終える方も増え、ご本人もあと3ヶ月程で一区切りをつけようと思う…と胸の内をお話し下さいました。

そしてその期限があと1ヶ月に迫った頃、なんと陽性反応!!!胸がいっぱいになる感動は今でも忘れられません。

そこから胎嚢確認、心拍確認、一歩一歩進んでいきました。

高齢出産になることもあり、大学病院で1~2週間おきの検診。幸いつわりはほとんどなく、出産まで通して赤ちゃんを守る漢方を煎じ薬で続けることができました。一番驚いたのは、あれだけ心配していた高血圧が、妊娠中は全くの正常値に下がったこと。赤ちゃんを守り育てようと身体が整う様子に感動しました。

途中めまいや動悸に悩まされながら、漢方で血を補い休み休み。大事を取って早めに産休に入り、無事元気な女の子を出産されました。

今後は娘さんにあげた分のエネルギーをまた補っていきながら、元気に子育てに励めるよう応援していきます。

 

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