症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/23 (月)

妊婦のむくみに当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

妊娠中はむくみやすい
妊娠中はむくみやすくなりますよね。
食事や運動などにも気をつけているのになぜ?と思われる方も多いと思います。


漢方では、きれいな血が赤ちゃんを育てると考えます。

また、その血を蔵する(貯蔵)場所を「肝」と言います。

赤ちゃんの成長には血が多く使われる為、お母さんの肝に血が不足して、巡りが悪くなります。


肝は体の司令塔のような働きをしているために、働きが悪くなると、胃腸にも影響を及ぼします。
主な症状としては、食欲不振、胃腸がはる、げっぷが出るなど。

さらに胃腸の働きが悪くなると、水が胃にたまり上がると「つわり」、水を巡らせる力が弱くなり末梢に貯まると「むくみ」が表れます。
当帰芍薬散の働き
当帰芍薬散は、
血を補い巡らせる[当帰、芍薬、川芎]
水を巡らせる[白朮、茯苓、沢瀉]
からなる漢方薬です。

不足する血を補いながら、胃腸や末梢にたまった水の巡りを改善する、まさに妊娠中のむくみにもってこいの漢方薬。
妊婦さんにも安心して使える上、さらに流産を予防する安胎薬としても使います。


私の妻も妊娠中は飲んでいました。
つわりもなく、少しむくみはありましたが元気な赤ちゃんを出産して、その子達も今は4歳と1歳になります。


妊婦さんでも安心して服用できる漢方薬は、当帰芍薬散だけではありません。
そして、妊婦さんには不適切な漢方薬もあります。
飲まれる際は、専門家にご相談くださいませ。
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