更年期障害、パニック発作、不眠、PMS、動悸、イライラ、不安感、
倦怠感、朝起きられない、めまい、頭痛、肩こりなど自律神経のバランスを崩している方へ、
今すぐにでもできることは何か?
また治っていく為に必要な事は何か?
ということで、前回は「気」のお話“自律神経失調症に立ち向かう~「気」を整える~”
を書かせていただきました。
今回は、「呼吸法」について書いてみたいと思います。
呼吸には自律神経が深く関っているため、昔から呼吸法が健康管理に利用されていますが、
実践しているという人は非常に少ないと思います。
そもそも呼吸法くらいで健康になれるのかも疑問…。
と思われる方も多いかと思います。
実例ですと、私の家族が心を病んでしまった時に呼吸法を試してもらい効果的でした。
いきなり漢方薬を始めることに少し抵抗を示したので、
まずは弊社の書籍「感謝から始まる漢方の教え」で養生に関する考えを伝えるとともに、
呼吸法を実践してもらいました。
すると動悸などの症状はすぐに減ってきて、
その後半年くらいで西洋薬を飲まなくてもよくなり、今は無事社会復帰をしています。
この件があり、思った以上に効果があると実感しています。
さて、普段の皆さんの呼吸はどうでしょうか?
浅いですか?それとも深いですか?
気持ちが張りつめすぎていると自然に呼吸も浅くなってしまいます。
こういう時こそ、意識的に深い呼吸をして、気持ちと体の余計な力を抜くと良いです。
普段意識することは少ないですが、呼吸を意識すると私見ですが、次の二つのことに気がつきます。
その一つは、呼吸をしているということ。
当たり前のことですが、自分が呼吸をしていることに気がつきます。
そして「今」を意識できることでその他の事にも…。
心臓もしっかりと動いている。
血も流れている。
目も見えている。
耳も聞こえている。
歩ける。
走れる。
細胞一つ一つが生きている。
そして自分自身も生きている。
二つ目が、空気があることに気がつくということ。
呼吸ができるということは空気があるということですね。
当然ですが、食べ物や水よりも生きる上で絶やせないのが空気です。
空気があってこそ生きていられます。有難いですね。
漢方でも空気や日光を「天の気」と呼び、生きるエネルギーの最上位と考えています。
ですから、この天の気をいかにうまく取り入れるかが健康を維持するためには大切ということで、様々な呼吸法が生まれました。
緊張して呼吸が浅いと、天の気が体に入ってきにくいので、
食欲がなく食べられない時のように、元気もなくなってしまいます。
まずは、意識的に深く呼吸をしてみましょう。
最初はまず息を吐く事から始めます。
体の中の空気を絞り出すように、お腹をへこましながらゆっくりと吐きます。
この時に大切なのは、上半身の力を抜く事です。
そして、おへその少し下あたりに丹田(たんでん)といって自律神経が集まっているところがありますので、そこには少し力を込めます。
そして吐ききったら肛門をキュッとしめます。
次に肛門を緩めて今度は息を吸いこみます。お腹いっぱい吸い込みましょう。
吸いきったらまた肛門をキュッとしめます。
そしてまた息を吐き…を何度か繰り返します。
この呼吸法はクンバハカ法という呼吸法で、
自律神経のバランスや内臓の働きも整え、気分も前向きにしてくれます。
呼吸法を実践する事で、
今は自律神経のバランスを崩しているが体はしっかり生きているということや、
空気の有難さを感じることができるので、それだけで自分から「気」の流れも良くすることにも繋がります。
毎日、数回そういったことを考える習慣と合わせて呼吸法を利用するとより効果的です。
吸う時は、草原や森林、海辺など気持ちいいと感じる場所を想像しながら行なうものよいですね。
すぐに結果が出ないかもしれませんが継続してみて下さい。
どうしてもきつい時は西洋薬のように飲んですぐに楽になれるものも必要ですが、
基本的には病気は自分で治せるものです。
漢方薬や気を整える事、呼吸法などで、自分自身の治す力を引き出していくことは、
本来の意味での「治る」ことに繋がります。
情報が氾濫している昨今。
これを飲めばよくなる。これをやればよくなるというものが色々あります。
生まれては消えていくものが多数あり、何を信じていいのか分からなくなりそうですが、
まずは、自分自身を信じる事が大切だと思います。
生まれ持った自分自身の治す力を信じる事。
今苦しんでおられる方でも、自分で自分を良くすることはできます。
三歩進んで二歩下がる。しかし、そうやって諦めずに一歩ずつ進んでいく事が大切です。
漢方相談を通じて、皆さんの「良くなりたい!」という願いと、
「良くできる!」という自信を応援していきたいです。